ピカビア通信

アート、食べ物、音楽、映画、写真などについての雑記。

北野映画

2009年10月06日 | 映画


北野武の「アキレスと亀」を見る。評判はあ
まり良くないが、確かに他の作品と比べると
大分劣るように感じる。北野版藝術について、
という内容なのだが、題材との距離感が問題
なのではと思った。本人の描いた絵らしきも
のが映画の中に沢山でてくるのだが、多分自
分で描いたものが芸術作品だとは思ってない
のだろうが、しかし、藝術とは案外こんなも
のではないかと思っているような節もあり、
その曖昧な部分がそのまま映画に出てきてい
るようで、過去の作品のような良い意味で対
象を突き放しててみているといった冷ややか
な視線が感じられなかった。むしろ、痛々し
さの方を強く感じた。映画の中だと、いつも
の即興的なギャグも通じず、オチが読めてし
まっているし、最終的にはどうにか夫婦の純
愛物語としてまとめたが、全てにおいて消化
不良という印象は拭えなかった。「監督ばん
ざい」にも同じことが言えるが、やはり問題
は、対象との距離感であると思う。
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