ピカビア通信

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ジャック.ロジェ

2023年10月22日 | 映画

 

松本へジャック.ロジェを見に行く。元々見る機会が少ない監督で、今回シネマセレクトで特集を組んだので見られることとなった。作品は「フィフィ.マルタンガル」。勿論初めて見る作品。唯一見た「さよならフィリピーヌ」は若い女の子がキャッキャ言いながらリゾート地に行って帰るだけという、こんなので映画になるのかという不思議なでも魅力的な映画だったが果たして「フィフィ.マルタンガル」は。

構造はほぼ劇中劇。舞台役者の稽古の場面が多くを占めるコメディーだ。結構だらだら続くのでちょっと大丈夫かと懸念したが、真ん中あたりから十分引き込まれた。特筆すべきは、この監督の作品の特徴なのかフィリピーヌでも感じたが役者がいやに生き生きしてること。それによって画面も生き生きしていてそれが魅力となっている。これは筋書きを追って楽しむ作品ではないので全く万人向けではないことも意味している。フランス国内でも評価してる人は多くないと想像する。以前映画好きのカウリスマキが好きなフラン人の大学生にジャック.ロジェは良いよ、と言ったら(勿論通訳付き)、彼はジャック.ロジェを知らなかった。

あとコメディーとは言ってもそれほど笑えるわけではない(フランス人と日本人の違いもある)。最後はよくあるドタバタになるのだが、日本のドタバタのようにいい加減しつこいという感じにならないところはどこか洗練されている。個人的には、マタ.ハリ(有名な女スパイ)という固有名詞が出てこなくてハラ.キリ(腹切り)と言ってしまう役者に対して、アドリブでチーズか!(Kiriのチーズ)と突っ込むところは笑えた。それと舞台の演出家の役者が今のデビッド.ギルモア(ピンクフロイド)に似てるのがツボだった。

最後に映画の内容とは関係ないが、入りの悪さが気になった。シネマセレクトという自主上映の団体が頑張ってるのだが気の毒なくらい人が入らない。松本辺りでもこの程度なのか。これではとても文化都市は言えないと思った。

 

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