この前、初めて会ったほぼ同世代の人間と音楽の話となった。かれは高校時代から音楽活動をし始め(勿論趣味で)、最終的にはイカ天に出てその活動を終えたということであった。唯、聴く事に関してはずっと続いていて、今でも好きなことに変わりはない。そこでどんな音楽をやっていたのかと聞くと、ロック一辺倒と言った。始まりはビートルズで、ツェッペリン最終的にはパンクまで行ったらしい。外見的にはすっかり普通のオジサンなのにそんな趣味があったとは、と少々驚いた。
そして続けて彼が言ったことは「日本の歌は聴く気になれないんだよね」だった。そこで「じゃあ、当時はさだまさしやユーミンなんてふざけるな、って感じじゃなかった?」と聞くと「その通り」と答えた。更に「今でも聴く気になれない」とも言った。よく歳を取ると、昔はばりばりのロック野郎だったのがニューミュージック系をしみじみ聴いていいなあと言ったり、もっとひどいのになると、やっぱり日本人には演歌やねえ、などとふざけたことを言うのがいるが、彼の場合は今でもそこは変らない。久しぶりに我が意を得て、クリムゾンの「太陽と戦慄」は今聴いてもやっぱり良いね、などという会話で盛り上がったのだった。