ピカビア通信

アート、食べ物、音楽、映画、写真などについての雑記。

役者 自身を語る

2010年12月10日 | 映画

 

 

BSNHKに、アメリカの演劇学校の校長だかが、役者志望の聴衆の前で人気俳優にインタビューするという番組がある。俳優に、自身の生い立ちや、映画作りの裏話を聞きながら、その役者の色んな魅力を引き出すというのが番組の趣旨のようだ。現時点での人気俳優が多くでるので、多分人気番組なのだろうと思う。稀に見たりすることはあるが、はっきり言ってこの番組好きではない。

この前は、「ハル・ベリー」だった。いつものように、役作りの仕方などいろいろ聞いていた。この辺りは、司会者の本業たる演技論というものが下敷きになっている。聴衆が役者志望だから、熱心に聞いている。それは当たり前だ。目の前にこうなりたいと思っている憧れのスターがいるのだから。考えてみると、この構図がまず気持ち悪いのかも知れない。全ては、この司会者のなすがままである。これは信者と教祖の関係だ。そしてこの司会者が、勿体ぶった演技で、多分絶妙な間と言われるのだろうがそんな間で、相手の感情を揺さぶるような質問をぶつける。すると、予想通り役者の方は微妙な感情の動きを見せる。この一連のやりとりが、あざとい演出と感じるのである。多くの人は、これを上手いというのだろう。お前はみのもんたか、としか思えないのだが。

もう一つは、演劇学校もハリウッドの本流にあるから当然といえば当然なのだが、アカデミー賞が絶対的な価値であるという前提ですべての話をすすめる。そこには映画に対する批判的な態度は一切ないのである。自分たちの権威を揺るがすことをするわけはないからこれも当然なのだが、こんな出来レースのような番組のどこが良いのかと思うのも、少数派の悲しさである。素直に、スターに憧れろというのが、この番組の正しい態度であるようだ。

「ハル・ベリー」のあとは「ブルック・シールズ」だった。今どんなことになってるのかという、下衆な好奇心がありその姿を見たら、やはりこんなことになってたかという感想を漏らすしかない状況だった。整形顔?がどうにも痛々しい。

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