ピカビア通信

アート、食べ物、音楽、映画、写真などについての雑記。

滝つぼの小宇宙

2008年06月01日 | 生き物 自然

本日の内容「食事前、食事中は要注意」

先日の「アサマイチモンジチョウ」を撮った日、滝つ
ぼに「ハナアブ」の幼虫がいたことは書いたが、本日
改めてその数を数えてみた。
約50匹ほどであった。
全体に散らばっているのだが、一箇所だけ20数匹の
固まりがあった。
かなり気色悪い光景だ。
仔細に観察してみると、体調は1.5センチほど、半
透明(ちょうど曇りガラスのような)の体には、薄っ
すら黒い部分もある。
そして問題の、尻尾のようなひも状の物体だが、これ
は5センチほど。
普段は、たまにのたうつように動くだけ。
あまり活発には動かない。
どこかで見たことがある、という既視感がどうしても
拭えない。
そして、その理由が判った。
写真などで見る「腸炎ビブリオ」と同じなのだ。
方や「顕微鏡」、方や「滝つぼ」、思わぬところでシ
ンクロしていたものだ。

そこで、一体あのひも状は何なのか、と誰しも(とは
思わないが)疑問に思うところだが、良く観察してい
ると、その動きがある目的のための器官であることが
想像できる。
水面下にいる「ひも付き蛆虫」は、ときたまそのひも状
を水面上に突き出すのだ。
かなり特徴的な動作だ。
そのひも状を、空気に触れさせる為の動作のようだ。
つまり、呼吸のための器官であったのだ。
ということは、尻尾というよりは鼻である。
見かけは気色悪いが、良く出来たものである。
あとは、蛹になるのを待つだけだ。

子供のころ、「肥溜め」にいたのを見たということは
書いたが、当時はどこも「ぼっとん便所」なので、肥
溜めに限らず普通に便所にいたという新たな証言を得
た。
この地方の呼び名は「ごうじ」。
「goji」ではなく「gouji」だ。
つまり「ご蛆」ということなのだ。
蛆にごをつければ、まるで尊敬語のようなことになっ
てしまうが、ひょっとして、神の使いとでも思ったの
だろうか。
それはないな。
神の使いが「肥溜め」から来るとは誰も考えないだろ
う。
そうだとしたら面白いが。
普通に考えれば、尊敬語あるいは丁寧語の「御」では
ないことは想像がつく。

個人的には「強」ではないかと思う。
「ごう」が鈍って「ご」。
つまり、見かけから「蛆」(蠅の)の強力版としての
「強蛆」というのがその元になったのではないかと。
昔の人は、それが「ハナアブ」の幼虫であるという知
識などなく、ただただ見かけから、「蛆」のバージョン
アップした得体の知れないものという認識だったので
はないかと想像する。
考えてみれば、昔は普通にいたのだから、目にする機
会は多かった。
しかし、今はその機会は少ない。
昔は、機会は多いが知識は少ない、逆に今は、機会は
少ないが、知識は多い。
一体、どちらが幸せなのか。
って、そういう話ではなかったか。
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