日本一“熱い街”熊谷の社長日記

組織論の立場から企業の“あるべき”と“やってはいけない”を考える企業アナリスト~大関暁夫の言いっぱなしダイアリー~

経営のトリセツ62 ~ すぐに使える「見える化」のヒント4

2009-06-11 | 経営
今回の<すぐに使える「見える化」のヒント>は、「会議の見える化②」です。

前回は会議の「目的」の“見える化”についてお話ししました。今回は会議スタート後の“見える化”、すなわち「議論」の“見える化”です。

②「議論」の“見える化”
前回、会議開催の大前提として会議の目的が“見える”「アジェンダ」作成のお話をしました。「アジェンダ」はあくまで会議に向けての予備知識としての「見える化」ツールです。会議開催時には、別の「見える化」ツールが必要になります。通常会議は、「報告」であれ「協議」であれ「決議」であれ、報告者なり上程者なり説明者が存在する訳です。つまり重要なことは、説明内容をいかに「見える化」していくかということになるのです。説明内容が特定の人にしか分からない、ひどいケースでは説明している本人しか分からない、などどいう場合もよくあります。

このように「議題」の“見える化”が一向にすすまない場合、「聴覚」に頼った議事進行をしていないかということをまず疑います。すなわち、説明者は口頭だけで「報告」「協議」「決議」の各内容を説明していないか、ということです。「議題」を“見える化”させるためには、説明内容のポイントをかいつまんだ資料を用意する必要があるのです。この「説明資料」ですが、できれば「報告」「協議」「決議」ごとに定型フォーマットを決め、説明者も会議出席者も常に「報告」「協議」「決議」のそれぞれの場合、何が説明ポイントとなるのか人によってバラつきができないようにし、またその資料を一読するだけでポイントが誰にでもすぐに把握できるような工夫が大切です。

例えば「報告」の場合、説明ペーパーには「特記事項」「課題」と「課題解決方針」を記載します。細々した「経緯報告」等は統一フォーマットに載せる必要はなく、本当に必要な場合のみ別添資料とすればいいのです。「報告」の細々した内容よりもむしろこの3点が「報告」の“幹”だからです。もちろん、「課題」がない場合は無理に「課題」を作る必要はなく、「現時点で課題なし」と記載してかまいません。ただし、報告を聞いた会議メンバーが「本当に課題はないか」質問や意見を出し合う必要はあるでしょう。

「協議」「決議」の場合は、通常の社内稟議書記載の必須記載項目をしっかりと会議用統一フォーマットに落とし込み、参加者全員で当該テーマの協議・決議のポイントを共有するようにします。もちろんこの場合、ペーパー記載事項の裏付け資料等協議・決議の賛否判断に必要な資料は、統一フォーマットに添付する必要があります。これがないと「説明根拠の“見える化”」ができなくなり、議論が長引いたり次回へ持ち越しになったり、非効率な会議の原因となります。自身が上程した「協議」「決議」事項の理由を説明するエビデンスに不足がないかは、事前の入念なチェックが必要です。

【(注)統一フォーマットを作るのは、会議の資料作りに時間をかけないためでもあります。簡潔なフォーマットで、必要最低限の議論や判断の材料を「見える化」します】

それともうひとつ、会議において説明者は説明に際して、原則ホワイトボードを使用することも重要なポイントです。説明者はホワイト・ボード前に進み出て説明に立ち、配布の統一フォーマット・ペーパーや補足説明資料等の説明に際して、資料記載事項以外は必ずホワイトボードを使って、ポイントの記述や図表の記載によって、「補足説明事項の“見える化”」も心がけてほしいと思います。「ホワイトボードの効用」については、以前の<経営のトリセツ>でも触れていますので、そちらもご参照願います。
→ http://blog.goo.ne.jp/ozoz0930/e/8f1a4b1909dfe83a30105277591b176a

<本日のポイント>
★「議題」に関しては、必ず説明資料を作成し席上配布してそれに沿って説明する
★説明資料は、「報告」「協議」「決議」それぞれの統一フォーマットを決め、それにしたがって作成する
★説明者は、ホワイトボード前に出て説明し、補足説明はホワイトボードを活用する

ホワイトボード活用の話は次回に続きます。

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