日本一“熱い街”熊谷の社長日記

組織論の立場から企業の“あるべき”と“やってはいけない”を考える企業アナリスト~大関暁夫の言いっぱなしダイアリー~

なぜ席を選べない?~大手寡占のチケット販売方式にモノ申す!

2008-07-14 | その他あれこれ
コンサートチケットの今の販売方式に疑問を投げかけます。

以前取り上げたザ・フーの初単独来日公演のチケットが、12日に一般発売となりました。で、朝一番の10時発売に合わせて我が家から徒歩3分の「チケットぴあ」に行くと「すでに、2階席のみのになりま~す」。「先行発売でアリーナはすべて売り切れってこと?」と聞くと、「いや、ちょっとよく分らないです…」とどこか歯切れの悪いお言葉…。

私がなぜわざわ窓口販売に向ったのかというと、電話予約は確かに便利なのですが、いつの頃からか「座席確認や指定ができない」が当り前になってしまったのです。ですからいい席を確保したい場合は、窓口販売でその場で席を確認しながら買うという方法しかなくなってしまったのです。ところが今回のような、ようやく窓口販売解禁となる一般販売開始日には、「2階席でよろしければ」の世界へご案内って訳じゃ、どうやったらいい席が手に入るのか、まったくお手上げです。

なんか怪しいのは、本当に先行発売で、日本で人気いまいちのザ・フーのコンサートのアリーナ席が売り切れたのかってこと。さいたま公演もですよ。どう見てもおかしい!購入希望者が比較的集まる一斉発売日には、なるべく売れ残りそうな席を大量に売って、そのあとまだいい席を残しておいてソールド・アウトに持ち込む戦略じゃないかなって、かなり確信をもって思っています。何と言っても、昨年のエルトン来日の際のパフレット、売れ残りそうと見るや2日目には平気で500円値上げして、平然と「アーティストの意向です」と言い放つ“悪徳”ウドーですから。

昔のチケット購入はそれこそ、オンラインなんてないので、各プレイガイドに発売日に朝一番で行って並んで取ったりしたものです。銀座の九鳩堂とか赤城プレイガイドとか、いい席が大量に入っているお店には、けっこうお世話になりました。モノによっては、青山のウドー本社で整理券とりに徹夜で並んだりとかね。でも、努力をした者に良いチケットが与えられるという点では、今より数段公平感があったように思います。

今の、本当に抽選してるのか、どういう意図的配布なのか、それすらも全く“見える化”されていないチケット販売にはどうしても納得がいきません。結局何が起きるかと言えば、ここ10年で急激に一般化した、ネット・オークションでのチケット売買が、にぎわうのみ。でも、これっていわば“ダフ屋”まがい行為ですよ。違いは、資金がヤクザに流れるか否かだけ。定価がありながら、その何倍もの価格で平気でオークションで人気チケットが流通しているのは、合点がいかないのです。

いい席にプレミアムがつくのは分かります。だったらはじめから各ブロックごとに値段を変えて、いい席は大きなプレミアをつけて売ればいいんですよ。ストーンズなど、一部アーティストではおまけ付きプレミア席販売がごく一部だけ行われましたが、これをもっともっと会場全体に広げ細かい料金階段をつくるべきですね。アリーナど真ん中最前列と、最後尾席あるいはスタンド席が同じ定価はおかしいです。

サービス業として今のチケット業が、電話1本でチケットを買える便利さを一般的にしたという功績は認めるものの、利用者の立場でサービスを考えているかと言えば、答えはノーです。利便性を優先する人には電話購入を、良席を優先する人には価格細分化の上窓口販売を、それぞれのニーズに合わせた売り方を用意しなければ、顧客のニーズに応えているとは言えないと思うのです。

個人的に常連客状態の「ビルボード・ライブ」ですが、ここは非常によくできています。WEBでも自分の購入する席が確認できますし、会員優先の先行発売も位置づけが明確です(ぴあの先行発売って、意味のない単なる多く売るための発売日の複数化ですよね)。しかも、チケットレスでネット・オークション流通を阻止する工夫もされています。公平感が感じられ、チケット販売の“見える化”がすすんでいることが、私が「ビルボード・ライブ」を贔屓にする大きな理由のひとつでもあります。

今のオンラインチケット販売のやり方は、寡占状態の業界最大手「ぴあ」と、“悪徳”「ウドー」の結託で、売り手側の都合のみである種の押し付け販売方式が定着しているように思います。利用者はもっと、顧客の立場から改善に向けた主張をしてもいいのではなかと思うのですが、いかがでしょうか?

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