日本一“熱い街”熊谷の社長日記

組織論の立場から企業の“あるべき”と“やってはいけない”を考える企業アナリスト~大関暁夫の言いっぱなしダイアリー~

〈70年代の100枚〉№31 ~ カーペンターズ本当のマスターピース

2008-07-13 | 洋楽
先週日曜日に音楽ネタをお休みしたので、今週は“100枚”ネタをもう1本いきます。

ポップ系のスーパースターである、カーペンターズです。個人的にはあまり趣味ではないのですが、「70年代の100枚」となれば外すことはできないアーティストです。この人たち、日本では圧倒的に73年の「イエスタディ・ワンスモア」とアルバム「ナウ・アンド・ゼン」が人気なのですが、全米TOP40的評価ではその前のアルバム72年「ア・ソング・フォー・ユー」がマスターピースと言えるでしょう。

№31    「ア・ソング・フォー・ユー/カーペンターズ」

どうも歌謡曲的で個人的には趣味じゃないカーペンターズの中にあっても、このアルバムはかなりイケている部類です。というのは、カーペンターズがひとつのバンドとしての表現を明確に意識してつくったと思しきアルバムであるからです。全体に大胆なバンド的アレンジが展開されており、シングル・カットされたA4「グッバイ・トゥ・ラブ」などでは、それまでの彼らの演奏にはなかった派手目のギターソロの挿入など、彼ら4枚目のこのアルバムで一気に一皮むけた感じを実感させてくれます。

楽曲の質の高さもピカイチです。A3「ハーティング・イーチアザー」A4「小さな愛の願い」A5「グッバイ・トゥ・ラブ」にサントラ挿入のB1「動物と子供の詩」を加えた4枚のシングルをカットしいづれもヒット。その後、次作「ナウ・アンド・ゼン」からの2枚のシングルリリースをはさんで、再びA2「トップ・オブ・ザ・ワールド」B4「愛は夢の中に」がシングルカットされ、都合6枚ものシングル・ヒットを生んだ大傑作アルバムなのです。中でも「トップ・オブ・ザ・ワールド」は、「イエスタディ・ワンスモア」も成し得なかった全米ナンバーワンを獲得。彼らを真に代表する1曲であると言えます。

また、タイトルナンバーのA1「ア・ソング・フォー・ユー」は、シングルカットこそされなかったものの、レオン・ラッセルの名曲をカレン・カーペンターが見事な歌唱力で歌いあげ、原曲とは一味違った新たな魅力を醸し出しています。彼らは、以前にもレオン・ラッセルの「スーパースター」で大ヒットを飛ばし、次作では「マスカレード」を取り上げるなど、実はけっこうスワンプ志向な一面をのぞかせてもいるのです。

レオンやポール・ウイリアムスをはじめ他人の名曲を好んで取り上げたポップバンドであった点は、昨日のスリー・ドッグ・ナイトとの相通じる部分であります。ただ、「トップ・オブ・ザ・ワールド」や「イエスタディ・ワンスモア」などの超がつく代表曲は、リチャード・カーペンターのオリジナルであった点が一番の相違点であり、ここが今だにポップス界の大御所として語り継がれるか否かの分かれ道だったのかもしれませんね。

ロック志向の方でカーペンターズも一枚ぐらいは聞いてみたいという向きには、アーティストとしてのカーペンターズが楽しめるこのアルバム「ア・ソング・フォー・ユー」をイチオシでおすすめします。

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