日本一“熱い街”熊谷の社長日記

組織論の立場から企業の“あるべき”と“やってはいけない”を考える企業アナリスト~大関暁夫の言いっぱなしダイアリー~

小沢氏処遇の是非と、もっと“危険”な二人の人物

2009-09-06 | その他あれこれ
明日からちょっと中国に出張しますので、日曜日ですがマジネタでいきます。

民主党の政権奪取に伴う様々な話題の中で、次期幹事長に内定した小沢氏の処遇を巡って喧々諤々論争が巻き起こっているようです。問題の焦点は、小沢氏の党幹事長就任。鳩山代表の首相就任でナンバーワン不在状態になる党運営の実質ナンバーワン・ポストに座らせることの是非、および権力を持たせることによる「権力の二重構造」への不安がその議論の中心です。確かに党代表の座を辞して選挙担当の代表代行という地位に落ち着いていたものが、再び表舞台に出てくると言う印象は強く感じさせられる人事ではあります。ただそれが本当に、「今」是非を問うべき問題であるのか、私にはいささか疑問に思えているのです。

私自身も含め西松建設問題発覚時の世論の大勢は、元秘書が逮捕・起訴された一件については小沢氏は責任を取り事実を明確にすべきという意見でした。問題は、その後世論がどう動いたかです。小沢氏は「問題の責任を取った訳ではない」としながらも、代表の座は辞任。これによって表面上形を整えた「民主党を政権政党としてよしとするか、よしとしないか」の判断は、選挙と言う国民の審判にゆだねられたとみるべきではないかと思うのです。結果は民主党の大勝。もちろん、民主党の大勝によって小沢氏の“禊(みそぎ)”がすんだと申し上げるつもりは毛頭ありませんが、小沢氏の西松建設問題の事実究明と民主党の政権運営の問題は切り離して考えるべきステップに入ったと考えていいのでないかと思うのです。

民主党が大勝し政権運営をゆだねられた以上、どのような体制でどのような策を講じマニフェスト記載の公約事項を実現につなげるのか、「今」は国民の大半が支持した民主党の判断にとりあえず任せるべきではないかと思う訳です。小沢氏が民主党内で再び権力を握ることの善し悪しを党内の議員が論じることはともかく、選挙で「お前らに国政を任せるからやってみな」という意見が大勢を占めた訳ですから、一国民の立場としては「今」は“お任せ”が筋であり、監視をしながらうまくないと感じられた段階でしっかり方向修正を促していくのが正しい道筋ではないかと考えるのです。

私個人としては、小沢一郎と言う政治家は決して好みではありません。しかしながら、その政治的腕力の強さは民主党内でも圧倒的なものがあり、それをこれから同党が手掛ける政治改革、官僚改革において使わない手はないのです。党幹事長が政府の政策に口出しをすることへの懸念がささやかれていますが、むしろ政府の動きをけん制するような動きはあってしかるべきと思います。結果として「権力の二重構造」になるかならないかは、これからの首相、すなわち鳩山代表の手腕にかかっているのであり、小沢氏を上手につかいこなせるか否かこそが民主党政権がうまくいくか否かのカギを握っていると言ってもいいのではないでしょうか。“壊し屋”の異名をとる小沢氏ですから、うまくその破壊力を活用するなら古臭い官僚制度を根本から叩き直すことも可能かもしれません。そう考えると好みであるか否かは別問題として、官僚が一番恐れているであろう小沢氏の手腕には期待感に似たものすら感じられてきます。

私が不安視する人事はむしろ小沢氏とは別のところにあります。ひとつは管直人氏の国家戦略担当相への起用です。管氏は「自さ社連立」の第一次橋本内閣で厚生大臣を務めていますが(新党さきがけ所属)、頭のいい高級官僚相手に議論でかなわなくなると怒鳴り散らして爆発するという、癇癪(かんしゃく)持ちで短気な性格がモロに噴出。「イラ菅」というニックネームをつけられ、この時こそ官僚たちとの“デキ”の差が明確になった時と記憶しています。東工大出の技術系とは思えない単細胞な性格で、相手にかなわないと分かるや感情むき出しで押さえつけにかかる、そんな人物に官僚制度改革に向けた最重要ポスト国家戦略担当相が務まるとは到底思えません。

もう一人は番外編ですが、当ブログで以前にもとりあげている鳩山幸民主党代表夫人です。大勝後、徐々にテレビへの露出が増えてきていますが、大変危険ですね。ファースト・レディとして国際舞台へのデビューも近くある訳ですが、“もうろう会見”に匹敵するような“国際的恥さらし”にならないことを、国民のひとりとしてただただ祈るばかりです。

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