日本一“熱い街”熊谷の社長日記

組織論の立場から企業の“あるべき”と“やってはいけない”を考える企業アナリスト~大関暁夫の言いっぱなしダイアリー~

NEWS雑感~政権政党「民主党」に求めること

2009-09-01 | ニュース雑感
昨日に引き続き選挙関連です。昨日あまり触れなかった民主党への注文です。
大きく3つあります。①「目標の設定」②「進捗の管理」③「世代交代」です。

①「目標の設定」
いよいよ政権を奪取し、政権政党としてスタート切る訳です。なぜ今民主党が自民党に代わって政権交代と相成ったのかよくよく考えていただき、首班指名後の所信表明演説では、民主党マニフェストに欠けている最も重要な点である政権としての「目的」の部分、すなわち「どのような日本をいつまでに実現するのか」を明確に表明してほしいと思います。日本の将来の姿をGDPで表わすのかそれ以外の指標を使うのか、景気回復に向けて完全失業率の目標数字を期限とともに示すのか、それは自由です。とにかく「目指す姿」を明示したうえでその達成度合いを計数上の明確な目標数字で示していただきたいと思います。言ったモン勝ちのまやかし政治はもう国民はうんざりしています。国民が求める今までと違う政府は、計数で示した目標を有言実行する政府です。これは民間企業が皆、実施して日々努力していることです。所信表明演説に大いに期待します。

②「進捗の管理」
昨日のブログで、自民党は野党として民主党のマニフェストを監視せよ、国民一人ひとりも監視の目を緩めるな、と申し上げました。何より一番大切なことは、言い出した当の本人である民主党自身が、ちゃんとマニフェスト記載事項の進捗管理をし定期的に公表する、ということです。最低でも企業と同様半期ごと、すなわち半年に1回はその進捗を自主的に公表すべきでしょう。そしてその際に、次の半年でどこまで進めるかの進捗目標を各項目について発表し、次回以降はその目標達成度も併せて公表する“マニフェスト・レビュー”を定例化すべきであると提言します。さらに、来年予定されている参議院選挙時においては、当然今回のマニフェスト記載事項の進捗状況をつぶさに報告する義務があります。それをもって、国民は民主党に政権を任せて正解であったのかそれとも誤りであったのか、明快な判断が下せるようになると思うのです。「言いっぱなしを許さない」、これは今回の選挙を「第一回マニフェスト選挙」と位置付けるための最低限の条件であります。

③「世代交代」
これは自民党と同様の課題であります。今回の民主党首脳陣の顔ぶれを見るに、党代表経験者の見慣れた顔ぶればかりです。民主党政権が仮に長期政権化した場合に、今の幹部である岡田、管、小沢で首相を輪番で回すようなことだけは絶対にして欲しくありませんし、国民は自民党の「三角大福」時代以降のそういった党内暗黙の“慣れ合い輪番制”にはほとほと嫌気しているはずです。大げさに言うなら、政権を奪取するまでが現首脳陣はじめ旧勢力の役割であった、ぐらいの気持ちで世代交代をはからないことには、早晩自民党と同じ「派閥抗争→崩壊」の道を辿ることになるでしょう。幸い今回多くのフレッシュな新人議員たちが誕生して世代交代にはまさしく好機到来であります。その意味では今回の組閣でどこまで若手登用がなされるか、注目です。ベテラン議員の“ごほうび大臣”登用には、強い批判の目を向けられていると自覚をしてほしいと思います。自民党のようないつまでもベテラン、長老が幅を利かす“反世代交代的”愚行は、もううんざりです。自民党と民主党どちらがより早くこの「世代交代」問題に本気で着手できるか、次回の衆院選はその点が雌雄を決することになるのではないかと、個人的には思っています。

以上、どれもマネジメントがしっかりした民間企業ではできていることばかりです。我が国の政治の世界の管理手法がいかに遅れているか思い知らされますね。