日本一“熱い街”熊谷の社長日記

組織論の立場から企業の“あるべき”と“やってはいけない”を考える企業アナリスト~大関暁夫の言いっぱなしダイアリー~

消費者庁トップ問題人事は、独裁者的危険大臣の降板でチャラ?

2009-09-02 | その他あれこれ
NEWSで取りざたされている消費者庁の駆け込みスタートの件です。

腹立たしいですね。準備不十分なまま、元事務次官を据えるトップ人事を押しこむことが見え見えの駆け込みですから…。単に元官僚だから反対なのではなく、少なくとも民主党が政権を取ったことでトップ人事における元官僚起用の是非議論の機会はあった訳で、世論の意見を聞く姿勢も必要だったのではないでしょうか。そもそもが消費者保護が目的の新しい官庁な訳ですから、「利用者=国民」の意見を聞くのが一番な訳です。それを無視しての押し切りスタートはいかがなものかと思います。

今回もまた官僚に借りがあるとしか思えない麻生さんが、選挙前に突如9月1日消費者庁スタートを宣言した訳で、消費者からの相談ダイヤル「消費者ヘルプライン」の準備も整わない段階での“見切り発車”だと聞きます。ということは、官僚との密通によるものであることは明らかです。私が問題にしたいのは、アホな総理はともかく担当の大臣は何をやっておったかです。担当大臣とは、野田聖子消費者行政担当相その人。「長官は事務次官会議にも出席するから、他省の次官にモノがいえる人ということで内田さんを選んだ。余人に代え難い」との発言をされたそうですが、今の時代ポイントはそこじゃないでしょう。「他省の次官にモノがいえるか否か」ではなく、「官僚の立場ではなく、消費者の立場、すなわち国民の立場でモノが考えられるか否か」こそがポイントな訳です。今の時代を理解できるなら、この観点でモノを考え人選をするのがスジであると考えますが、いかがでしょうか。

今このタイミングで新省庁をスタートさせたのは、官僚人事が国家公務員法75条の規定などで手厚く保障され更迭には相当の理由が必要になるという点に着目し、いかに決定後に民主党が見直しを叫ぼうとも今回の長官人事を覆すことは難しいということ読んだ上での策という底の浅い狙いが見えています。麻生さんが自民党支持の官僚に恩義を感じて最後の最後のドサクサでゴマカシ人事を仕掛けた訳ですが、担当大臣までもがこれを認めトップ人事の民意審判を無視したやり方に加担するのは、新省庁設立を任された責任においてあまりに無責任な対応であります。

そもそもこの人、消費者庁設置担当におよそ向かない人物なのです。前回の「郵政選挙」で民営化に反対し党を除名された根っからの郵政族で(元郵政相)、まさしく官僚ドップリの典型。大蔵事務次官から政治家に転じた野田卯一が祖父かつ養父という生い立ちからして、生粋の“官僚族”なのです。加えて現担当大臣就任後も、マンナンライフのこんにゃくゼリーが子供の喉につかえた事件を捉え、私的な感情論から同社に商品取り扱い停止処分を強権発令したファッショ的権威主義者でもあります。もし餅が子供の喉につかえたら全国的に餅の製造をやめさせるのですか?めちゃくちゃですよ、この人の論理は。こういう人に絶対に権力を与えてはいけません。顔を見れば分かりますよ。常に鼻の穴を人に見せるような、至って官僚的な偉そうな顔の角度で物申す“高慢ちき政治家”です。このまま大臣の座に座っていたら、正義の味方ぶって民間企業相手にとんでもない“独裁者的指導”をしかねない危険人物なのです。

民主党が政権を取ってくれたおかげで、この人が担当大臣を降りてくれる訳ですからこの点は本当に良かったと思います。今回の長官人事、独裁者的“危険大臣”の降板と引き換えでの元事務次官の登用と理解するなら、この程度はやむなしと思うべきなのかもしれませんね。