静聴雨読

歴史文化を読み解く

カキと天ぷら

2013-03-11 07:33:17 | 身辺雑録

 

「食に対して貪欲な」父は時々街のレストランに連れていってくれたものだ。東京・有楽町の父の勤務先の近くに「レバンテ」というレストランがあり、父の勤務先がひいきにしていることもあって、時々その門をくぐったことがある。

この店は今でもある。冬には的矢湾産のカキを食べさせることで有名だ。生ガキ・レモン添え、焼きガキ、カキ・フライなど。

ところが、私はカキをあまり食べない。とくに、生ガキはまったくダメだ。そうすると、昔父に連れていかれた時には、何を食べたのだろうか? 今では思い出せない謎になってしまった。

 

父の晩年、入院する半年くらい前に、父が「近くにうまい天ぷら屋があるので、食べに行こう。」と誘ったが、何か理由をつけて誘いに乗らなかった。

父の死後かなり経ってから、その天ぷら屋を初めて訪れて、天ぷらを食した。が、それは、何の変哲もない天ぷらだった。父は、この天ぷら屋の天ぷらのどこに惹かれたのだろう。これも、解くことの叶わぬ謎として残ったままだ。  (2013/3)



最新の画像もっと見る

コメントを投稿