最初から歯車が噛み合っていなかったのだと思う。
カタールW杯での快進撃を受けて、その後も親善試合で連勝、それも大量得点が続いたことで監督だけでなく、選手もマスコミも勘違いしてしまった。
しかも全く厄介なことに、まったくの勘違いではないから嫌らしい。イランに負けて大会を後にした日本代表ではあるが、中盤のゲーム作りは全チーム中No1であったと思う。シュートと見間違えるほどの高速パスをワンタッチで受けてすぐに次の高速パスを出して相手ゴール前に迫る光景は、唖然とするほどの高レベルであった。
たしかにあの高速バスを連続されたらドイツやスペインにも勝ちうると思う。しかし、今回はアジアである。がっちりとゴール前に選手を並べて、日本の攻勢を予期して対応されると、そうそう得点なんて出来ない。
おまけに森保監督はアホなのか、そんな相手の戦術に対して、スペースに走りこんで得点機を作る伊東や浅野を重用しているのだから、守る方は楽だと思う。最初っから上田や三笘を使っていればだいぶ違ったと思うが、俊足でガタイの良い伊東や浅野に拘り過ぎた監督のミスだと思う。
それと、これは監督だけでなく、選手もマスコミも勘違いしていたが、サッカーという競技は本質的に大量得点の試合が生じにくい。にもかかわらず、攻撃に夢中になって、守備を疎かにしてしまった。本来、サッカーとはしっかりと守ったうえで攻勢に出るべき競技であるのに関わらずである。
しかもカタールW杯大会ではサイドで活躍した長友も酒井も今大会ではいない。二人とも攻撃よりも守備に重点を置いて、隙を見て攻勢に出るサイドバックである。ところが今回の若いサイドバックの選手は攻撃に偏りがちであった。菅原がその典型であり、攻撃的なサイドバックとしてプレーする一方、守備はザルで抜かれっぱなし。それでも使い続ける森保監督もどうかと思うが、あれだけサイドを抜かれたらDFの選手はたまったものじゃない。
たしかに若いGKである鈴木にミスは多かったが、守備は全体でやるもの。あれは酷だと思う。正直、権田やシュミットを何故に代表に入れなかったのか不思議だ。おかげで守備が得意なはずの遠藤や富安の負担が多すぎて、全然守備に安定感を欠いてしまった。
おまけに今、チームをけん引している南野や久保、堂安は守備が好きではなく、攻撃に偏りがち。あれではボランチはたまったものではない。結果的に日本は負けるべくして負けた。
さて、日本サッカー協会はこの敗退をどうするのか。弱点は監督だと分かっているはず。でも日本人監督を本気で育てる気なら、この敗北を糧に更なる向上を目指すほかはない。今後の日本のサッカーを考えるなら、1-0で勝てるチームを作るべきですが、おバカなマスコミも含めて我慢できますかね?
守備を安定させない限り、日本が更に強くなることはあり得ないと思いますよ。