ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

メイドインアビス つくしあきひこ

2024-05-10 09:12:05 | 

丸みを帯びた優しい絵柄に騙されてはいけない。

ファンタジー系の漫画なのだが、その優し気な絵柄とは裏腹に、その冒険譚は相当に壮絶だ。ダークファンタジーだと評したいが、子供たちの朗らかさが暗さに染まらないのだけが救いだ。

伝説的な探検家である母を求める女の子と、機械の身体ながら失われた記憶を求める男の子の冒険譚である。地底の遥か深みまで続く巨大な穴(アビス)は、まさに深淵であり、深く下れば下るほど帰還が困難になる。その代償は貴重な未知のアイテムであるため、深みを目指す探検家は後を絶たない。

深く潜れば潜るほどに貴重なアイテムが見つかるが、帰還の際に体に変調をきたし、最終的には死を免れることは困難となる。これをアビスの呪いと呼ぶ。

そんなアビスに死を覚悟しつつも探求の旅に出た二人の子供が遭遇する困難の数々。それは決して生やさしいものではなく、目をそむけたくなる残酷さも混じっている。

私はこの作品を知人の子供の小学生から教えてもらった。そして読んでみて、その面白さに魅入られた。同時に小学生がかくもハードなファンタジー漫画に慣れ親しんでいることに驚いた。

誰にでもお勧めできる作品ではない。特にダークファンタジーに慣れてない人には辛いかもしれない。絵柄の優しさとは裏腹な過酷な冒険譚は、それでも一読の価値があると私は考えています。機会がありましたら是非どうぞ。

コメント (6)
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