ヌマンタの書斎

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インボイス制度開始

2023-10-02 09:17:56 | 経済・金融・税制

この記事、あまり書きたくないけど話題に上がっているので渋々書きます。

今月から消費税のインボイス制度が始まりました。9月ごろになって新聞やTVでもインボイスについての否定的な報道がされていました。

なにを今更です。私たち税理士会では5年前からインボイス制度に反対してきました。制度設計に無理があるからであり、当初から零細事業者苛めの増税案だと分かっていたからです。税理士会は性格上、政治活動は出来ないので、政治連盟などを通じてインボイス制度反対を訴えてきました。

でも予想通り、記者クラブで飼い慣らされた大手マスコミの記者様方は、インボイス反対の声を無視し続けてきました。まったく官庁にとって記者クラブほどマスコミのコントロールに便利な手段はありません。

私はもう政治連盟からは離れているのですが、噂で聞いていたので、仕方なくインボイス制度実施に向けて今年、事務所のサーバーやPCを全て入れ替えて準備に勤しんできました。財務省の強烈な後押しがある以上、与党、特に今の岸田内閣はその施策に逆らうわけがない。

党内基盤の弱い岸田内閣は「役人の声をよく聞く」一方、国民の声は聞こえないふりをする。皮肉なことに令和3年以降の国家歳入はバブル期以来の高収入ですが、なぜかマスコミ様はそれを強調して報じることはない。

相も変わらず国の借金を声高に叫び、増税正義を訴える霞が関の応援団と化しているのが日経をはじめとした大手マスコミ様。厭らしいのは、すべてが嘘ではないことだ。たしかに国の借金である国債の償還は今後増える一方だ。既に歳入の3割強が借金の返済に充てられている。4割越えは目前なのも事実である。

おまけに少子化と高齢化社会の到来は必然的に日本経済を収縮させる。右肩上がりの経済成長なんて夢物語となるのは確実だ。その点消費税は流通課税であり、国内の富裕階級が使う預貯金や金融資産から蓄積されたお金の消費に課税できる。そして外国からの観光客に対してもある程度課税出来るのが故に、21世紀の日本の国家財政を支える柱となる。

だから私は消費税を否定はしない。しかし、消費税は経済的弱者に高負担を課す税制でもある。税制が正しく適切に経済的弱者への課税緩和を設定しないと、むしろ社会を歪める原因となるのが消費税の恐ろしいところだ。

インボイス制度はまさに経済的弱者をいたぶる制度であり、それゆえに公正取引委員会がその違法性を指摘し、それに財務省及び国税庁は反論できなかった。

愚者の遠吠えとの誹りは甘んじて受けるが、そんなことは5年前から分かっていたこと。ただマスコミ様が受け付けてくれず、野党は勉強不足で取り上げてくれなかった。まぁ消費税の課税構造自体が、税の素人には分かりづらいことも事実だが、それにしたってひど過ぎる。

国税庁がどんな改正案を出してくるのか、まだ不明ですけど、私としてはかつてあった限界控除制度を復活させるのが一番効果的かつ即効性が高いと考えています。まぁ不勉強な政治家が多いので、採用される可能性は低いのですがね。


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