ヌマンタの書斎

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U23カタール大会優勝

2024-05-07 09:45:53 | スポーツ

サッカーの強い国の選手育成は、その国の都市ごとにあるクラブチームが主体となっているケースが多い。

西欧や南米では、「おらが街のクラブ」があり、そこで子供たちが集められてサッカー選手として育成される。

ところが日本ではいささか事情がことなる。日本では学校が放課後に部活を通じてサッカーをさせる。いわば教育の一環としてのスポーツの枠であり、健全な青少年育成の目的が重要視される。

この方法では、優秀な選手を育成するには無理がある。だから日本サッカーは長年世界では勝てずにいた。そこで川淵会長の下でプロサッカー・リーグが設けられ、各クラブチームがジュニアやシニアの育成を担当するようになった。

ただし学校のクラブ活動としてのサッカー部も盛況であり、夏のインターハイ、冬の全国大会は今でも人気がある。その大会には、各クラブのスカウトだけでなく、日本サッカー連盟のスカウトも視察に来ており、各世代ごとに優秀な選手を選抜してのアンダーのチームが作られアジア大会や世界大会で活躍している。

いわば日本のサッカーは広く薄く選手を育成し、その中から優秀な選手を見抜いて選抜して全日本のチームに招聘することで世界を目指す。これは世界的には珍しいシステムだと云える。ちなみに長年東アジアのサッカーをけん引してきた南コリアは、幼少時から運動能力が優れた子供を見出して国の管理下で育成する、いわばエリート主義である。

今回、カタール大会でU23で活躍した日本チームだが。実は1.5軍である。A代表でも主力で活躍する久保建英や欧州のチームで活躍している鈴木ら若手は、一部の例外(藤田とか)を除き召集していない。久保あたりだと所属するチームが手放さないからだが、本人は22歳であり参加資格はある。

元々大岩監督は大学生主体でこのチームを育成してきた。もっともキャプテンの藤田やGKの小久保は最近欧州のチームへ移籍しているが、チームの中心選手であるため外せない。2年前のU23大会でも20歳前後の若手を中心に挑み、敗退して悔し涙を流したメンバーが今のチームの中心である。

いわば数年がかりでチームを育成してきた。その成果がようやく今回のU23カタール大会で出たと云える。正直、決勝戦の相手ウズベキスタンは今大会でも最上級のチームであった。なにせ決勝まで14得点1失点である。二年前の大会でU23日本(21歳主体で挑んでいる)0-2で完敗しているほどだ。今回ようやくリベンジが成ったとも云える。

当初の大学生たちは大半がプロチーム入りし、海外へ移籍した選手もいる。近年でこれほど注目を集めたアンダー世代は久しぶりだ。是非ともパリ五輪では活躍して欲しいと思う。ただ出来るならばオーバーエイジの選手は入れず、元々のこのチームの選手たちで挑んで欲しい。たかが五輪であるのだから、若手の育成を重視し、若手に機会を与えて欲しい。だから追加するとしたら久保建英か鈴木唯人ぐらいで、噂される三苫や板倉らA代表の選手抜きで頑張って欲しいと、私個人は思います。

最後にこのカタール大会を見て思いましたが、つくづくAFC(アジアサッカー連盟)は日本が嫌いなんだな、と。主審の偏向ぶりは「中東の笛」として悪名高いのですが、今回はそれに加わりロスタイムの異様な長さ。決勝なんて107分ですぜ。本来は45分×2で90分のはず。何故か日本が勝っている試合に関しては、異様に異常にロスタイムが長い。

今更ですが、トルシェやジーコ、オシムといった外国人監督の時はこのようなロスタイムはここまで酷くない。彼らは黙っていませんから。しかし日本人監督では無理・・・これは岡田であろうと西野、森保であろうと変わらないでしょう。これがサッカーの世界の政治力です。

語学力の問題ではなく、交渉力、政治力の問題なのです。この問題になると日本のマスコミ様は黙り込む。まぁ野球部上りのスポーツ部担当には分からない世界なのでしょうけどね。

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