ヌマンタの書斎

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アジア杯初戦

2024-01-18 15:06:00 | スポーツ

厳しい国際試合を戦ってみなければ分からないことがある。

今月開催されているサッカーのアジア杯で、我が日本代表チームはヴェトナム相手に苦戦し、なんとか4-2で勝利した。マスコミ報道をみるに大いに不満だったご様子。おそらく大量得点での圧勝を期待していたのでしょう。

でもアジア杯での日本の苦戦苦闘を長年見てきた私からすると、最低限の結果は出せてよかったね、程度のもの。特筆すべきは日本代表チームの欠点が露わになったところでしょう。さすがは元・日本代表チームの監督でもあったトルシェです。日本の弱点をよく調べている。

特に精緻に磨かれたセットプレーへの対応が苦手なことは、未だ変わらぬ日本の短所だとよくわかる試合でした。中村俊輔という世界レベルのキッカーを失い、日本はセットプレーにあまり力点を置かなくなっています。一方、当時は短所であった流れの中での得点が出来るようになったのだから皮肉なものです。

いずれにせよ、どんな強国でも大会の初戦は緊張するものです。特に日本のようにアジアの事実上のトップとなったチームには対戦国が周到な準備をして挑んでくるので苦戦は必須。それでも勝ち続けるのが真の強豪です。日本はまだ過渡期だと思いますけどね。

今回、特に嬉しく思ったのが南野の復活ですね。実はカタール大会アジア予選の頃から、森保監督は南野を中心としたチーム作りを意図していました。しかし、当時リバプールに居た南野はチームで定位置を掴めず、荒い気性も相まって干され気味であり、必然的にプレーの質も落ちていました。

幸にも浅野や伊東、堂安、久保といった若手が伸びてきたので、チームの再建は上手くいきました。それでも森保監督は南野の可能性を信じていたのでしょう。南野は大人しい日本人選手が多い中では「喧嘩番長」の異名をとる気性の荒い選手で、その気の強さ故に強引にチームをけん引する才を持っています。

今回対戦したヴェトナムも気性の荒い選手が多いのですが、気持ちの面でまったく怯むことなく、また経験を重ねて自らはカードを貰うことなく、見事にチームの攻撃を支えた功労者です。ただ自陣での守りの際に、相手のセットプレーに十分対応しなかったのはちと問題。いくら遠藤でも二人はカバーできないぞ。

それと今回A代表に抜擢されたGKの鈴木ですが、いくら若いとは云え、あのプレーはいただけない。パンチングならばもっと大きく枠の外に出さなきゃダメでしょう。彼、Jリーグでもしばしば半端なプレーから失点を招いているのですよね。身体能力と才能は認めていますが、まだまだ経験不足だと思います。ただ守りはチーム全体の問題でもある。

しっかりと守れているからこそ攻撃に集中できるのだから、DF陣はもう少し連携をしっかりしないとダメでしょう。長年DFリーダーであった吉田がいないのだから、そろそろ新しいリーダーが定まらねば不味いでしょうね。

最後に森保監督ですけど、戦術伊東に拘り過ぎ。あんなに引いてゴール前に守備を固めている相手に、スペースに俊足で走りこめる伊東は向いていない。むしろ密集地帯でも確実にプレーできる選手を先発に使うべきだった。

まぁ、それが出来る三苫や久保が怪我明けだったのは分かるけど、もう少し柔軟に戦術を使いこなすこと出来なかったのかね。堂安や中村健斗は見事でしたが、今回FWに抜擢した若手はダメでしたね。サイドの菅原もミス多すぎ。初戦だから致し方ないとも云えるけど、この後のイラク戦は今のままでは拙い。

もう日本チームの欠点は他チームに解析されていると判断すべき。親善試合での圧勝なんて忘れて、緊張感をもって戦って欲しいですね。大量得点なんて期待するなよ、マスコミ様はさ。


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