映画の話でコーヒーブレイク

映画の話を中心に、TVドラマや旅行の話などを綴ります

野望の階段  HOUSE OF CARDS

2015-08-28 | 映画 や行
我が家は光回線にしてケーブルTVから「ひかりTV」に変えました。
ケーブルTVの時はAXNやスーパードラマTV、FOXTVなどで毎週放送されるドラマを
見ていたのですが、ひかりTVでは毎週のドラマに加え、オンデマンドでTVドラマや映画を
いつでも見ることができます。有料のものも無料で見れるものもあって
シリーズを連続で一気に見ることも可能なんでしす
今NHKで放送されている「キャシーのbig C いま私にできること」もシーズン1~3までひかりTVの無料見放題で見終わりました。
そしていま、はまっているのが「ダ・ヴィンチと禁断の謎」。

そんな中、以前アップしたアメリカのTVドラマ「ハウス・オブ・カード 野望の階段」の元となる
英国BBC製作のドラマが今月末まで無料見放題であることに気が付きました。
早速先週から連続視聴。シーズン1と2、各4話を見終わりました。
本作は3部作なのでもう1シーズンあるようですが、シーズン3は見れないようです。
シーズン3が気になります。



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            野  望  の  階  段            
             HOUSE OF CARDS

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原作はサッチャー政権で首席補佐官を務めた本物の保守党政治家マイケル・ドブズ。
本作はサッチャー引退後の陰謀渦巻く英国政界を一人の人物を軸に描いてます。
政界の裏も表も知り尽くした人だからこそ書ける迫真のストーリー。怖いです。
英国には他にも「政治家で作家」という方がいたような…ググってみてビックリ!
大戦中首相を務めた誰もが知るサー・ウィンストン チャーチルは、何と!1953年ノーベル文学賞
受賞しておられたのですね。平和賞でなくガッカリしたなんてエピソードもあるようですが。
007のイアン・フレミングは政治家ではないですが英海軍情報部員を経て作家活動へ。
裏切りのサーカス」のジョン・ル・カレもMI6所属で外交官として勤務したあと作家活動へ。
「ジャッカルの日」のフレデリック・フォーサイスはジャーナリストからの作家活動でした。
✳︎ 31日のニュースで、フォーサイス氏が自伝の中でMI6の諜報活動をしていたと認め、
その経験をストーリーに活かしたという報道がありました。

 < ストーリー >
・シーズン1
保守党の院内総務長フランシス・アーカートは、党内からの信望も厚いやり手の政治家。
首相との口約束で次こそ入閣と意気込んでいたが、首相は引き続き総務長として任命する。
怒りと失意のなか、フランシスは首相を引きずり降ろし次期首相の座を手にしようと、
違法なことも含めあらゆる手段を講じる。
        
・シーズン2
首相に就任したフランシスだが、女王退位の後王位についた新王と政策について
対立することになる。野党党首や与党保守党の反対勢力と連携を図る国王に
怯むことなく解散総選挙で国民の真意を問うフランシスだが、自ら手を染めた
犯罪を暴かれそうになり…。

サッチャー後1990年代の英国を舞台にした本作と現代を舞台にしたアメリカのTVドラマでは
随分印象が違います。
派手な動きをするアメリカ版と違って、貴族出身の英国紳士は冷静沈着。
仕立てのよいスーツ、ツイードのコートに帽子を被り、上品です。
アメリカ版主演のケヴィン・スペーシーはギラギラした感じがありましたが、
本作イアン・リチャードソンは野望を表には出さず静かに冷たく心の奥底で燃やしている。
表面上は微笑んで、人当たりよく、でも目が笑っていない感じ…笑顔の下は般若です。
子飼いの部下を使って同僚政治家の弱みを握り、冷静に、緻密に、タイミングを計って
ここぞという時に効果的に使う。
彼の決め台詞は「You might very well think that. ButI couldn't possibly comment.」
「君がそう考えるのは自由だよ。しかし私はコメントはできない」っと言って
意味深な発言で情報を欲しがる人たちを手のひらの上で転がすのです。

1990年代という時代背景もあり、アイルランドIRAのテロに見せかけたり、街にあるれるホームレス、
王室との対立、国王の元妻(これってダイアナを彷彿とします)、破天荒な王女などなど、
英国ならではの背景も描かれています。

画面に向かって観客に語りかけるという手法は、英国版から。
良からぬ策を講じている時にニヤリと笑ったり、飄々と流したり、真顔で弁護したりする
主演のイアン・リチャードソンは狸おやじフランシスにピッタリです。
上品な狸…いや、英国だから狐かな。
   
    
シーズン1でもシーズン2でも、若い女性と関係ができるのですが、
どちらの女性も若く美しいのですが、女性側から彼に次第に魅せられていくというところ
年齢的にちょっと説得力に欠けるかな。権力の前にはひれ伏してしまうのか?はたまたファザコンか?

そしてアメリカ版ほど登場しないのですが、それゆえ余計にフランシスの妻が怖い。
ちょっとした一言で夫を励まし誘導し操る様は…政治家の妻の鏡?

シーズン1では執拗に街をうろつくどぶネズミ(rat)の描写が挿入されます。
これは「rat race 激しい生存競争」とか「smell a rat 胡散臭い」といった比喩なんでしょうか。
首相官邸のあるダウニング街には、昔から多くのネズミが住み着いていて「首相官邸ネズミ捕獲長」
なる役職を任命される猫ちゃん(現職はフレイヤという名前)が代々いるそうです。
それほどネズミがいるってことですね

英国版、是非ご覧あれ!


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 ***** 見た 映画 *****

 8月3~4週目 「野望の階段 HOUSE OF CARDS 英国版 シーズン1,2」 ひかりTV