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NO

2014-09-03 | 映画 な行
2012年のチリ映画です。1988年のチリ、ピノチェト独裁政権に「NO」と言おう!という
CMキャンペーン活動を描いています。
主演のガエル・ガルシア・ベルナルはメキシコの俳優さん。
「モーターサイクル・ダイアリーズ」や「バベル」「ジュリエットからの手紙」などハリウッド映画にも出演する国際派の俳優さんです。

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         N  O

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 < ストーリー > 映画.comさんより
1988年、ピノチェト政権への国際的な風当たりが強まる中、ピノチェトの任期延長の是非を問う
国民投票の実施が決まった。任期延長に反対する「NO」陣営は、若き広告プロデューサーの
レネを採用してキャンペーンを展開するが……。


チリは遠い国。
独裁者ピノチェトの名前は耳にしたことがありますが、1973年の軍事クーデターや
その後1988年までの15年間にわたる政権がどんなものであったのか、知りませんでした
本作の舞台、1988年の国民投票は1989年3月で任期満了を迎えるピノチェトの任期を
8年延長するか否かを問うものだったそうです。ここで「NO」を言わなければもう8年!
続いたわけですね。結果、反対は56%、賛成が44%。
それでも居座ろうとしたピノチェトでしたが、海軍、空軍、警察軍の反発にあい、
翌年の大統領選で反ピノチェトが勝利し、1990年3月辞任に追い込まれたようです。

このくらいの経緯をちょっと調べてから見ればよかった。
前政権が東側で、ピノチェト政権はアメリカの支援でクーデターを起こし、日本とも友好関係に
あったとか。でも独裁で多くの人が殺されたり行方不明だったり、迫害を受けたと聞くと
なにがなんだか?
左派とか共産主義者がどちらの陣営なのか?冒頭、ちょっと飲み込めませんでした。

     
           レインボーカラーを使った「NO」キャンペーン。
主人公レネは一時期チリを離れ海外で広告手法を学んだ人のようです。
長年の恐怖政治によってチェンジなんて無理と皆が思っている中、一日15分のCMで徐々に
形勢が逆転していくところ、パクリもありの「NO」と「SI(YES)」のCM合戦、なかなか面白かったです。
「NO」を広めるためには、ピノチェト政権による悲惨な生活を喧伝するより、
音楽や映像で自由にものが言える社会は明るく楽しいってことを見せるべきと主張するレネ。
人々を啓蒙するには、オバマの「チェンジ」「Yes, we can!」キャンペーンのごとき
盛り上がりが必要なのですね。
独裁は流血なしでも倒すことができる。宣伝の力ってスゴイですね。
映像は剣より強し。
    子どもは元気か?と脅されたり。
  
        反対派キャンペーンチームメンバー。      ピノチェト 

80年代の雰囲気を出すためか、クリアなデジタル画像ではなく当時の報道映像もあって
古い映画かと思っちゃいました。




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