映画の話でコーヒーブレイク

映画の話を中心に、TVドラマや旅行の話などを綴ります

Dr.パルナサスの鏡

2010-02-07 | 映画 た行
よく海老名(神奈川県)に映画を見に行きます。
以前はワーナーマイカル、ポイントカードを作ってからはもっぱらTOHOシネマズ海老名に
足を運ぶようになりましたが・・・
何と!ワーナーマイカル海老名では今年の1月9日から4月9日まで期間限定特別キャンペーンとして
「毎日映画!!1000円」開催中なんです
スタンプを集めて5回行ったら1回無料~もありですよ。
今もってTOHOシネマズのマイレージシステムをよく理解していない私にはわかりやすい。
109シネマズとTOHOシネマズ、加えてワーナーマイカル・・・あぁ~、カードが増える~。

      

                                     

        Dr.パ ル ナ サ ス の 鏡
   THE IMAGINARIUM OF DOCTOR PARNASSUS

                                

 < ストーリー >
現代のロンドンにパルナサス博士率いる古めかしい旅芸人一座が現れる。
メンバーは娘のヴァレンティナ、奇術師アントンに小人のパーシー。
以前博士は悪魔と取引きし、若さと引き換えに娘が16歳になったら差し出すことになっていた。
そんな時、トニーという若者を助けた一行。記憶喪失の彼は一座に加わり、ヴァレンティナは恋心を抱く。
娘の誕生日を数日後にひかえ、悪魔は新たな提案を持ちかけ、娘を助ける為に応じる博士。
果たして娘を助けることができるのか?

      
 
そもそも「パルナサス」とは何ぞや?
パルナッソス Parnassusはギリシャ神話に登場する英雄でデルフォイの神託所を開いたとされる人物。
デルフォイのあるギリシャ中部の山は、彼の名にちなんでパルナッソス山といい、
ギリシア神話ではアポロンやミューズの住む場所とされることから
詩や音楽、その他、創造活動の中心地とされるらしい。

博士率いる一行の出し物「イマジナリウム」は人間が心に隠し持つ欲望をむき出しにする装置。
子供が入ればお菓子の国が現れ、
中年女性が入ると靴や宝石が溢れ、ハンサムな男性がエスコートし鏡には若かりしスリムな姿が映る。  
   
鏡の世界のトニーを演じるイケメン3人組     中年女性の欲望の世界はこれ

鏡には想像力をかき立てる不思議なものを感じます。
鏡を向かい合わせると奥へ奥へと果てしなく続く連続に、別世界への入り口となるような恐しさと誘惑。
そっと覗くとそのまま吸い込まれ、別世界に閉じ込められ出て来られないような恐さを感じるのですが、
同時に見てみたいという強い誘惑にも駆られます。

現実と欲望の世界、
鏡の向こうの世界では、中に入った人間の理性と欲望がせめぎあう。
理性が勝つのか、欲望に負けるのか?
パルナサス博士と悪魔のニックは、その結果で娘の魂を賭ける。
ファンタジーの形態をとりながら、現実と虚構の世界を行き来し、人間の本質を暴き出す。
高僧だったパルナサスは、結局悪魔ニックに取り付かれ次々と賭けを吹っかけられ「不死の命」と
「若さ」を得て1000年、これからも孤独な二人の腐れ縁は続くのか?

この映画は一回見ただけでは難しいかも?もう一回見たほうがよさそうです。   
私があの鏡の中に入ったら一体どんな世界が見えるのかしら?


         

たまたまギリアム監督とは知らず前から見たかった「バロン」を本作鑑賞後見ました。
1988年の作品で原題は「The Adventures of Baron Munchausen ミュンヒハウゼン男爵の冒険」。
監督はヨーロッパの見世物小屋とか劇場がお気に入りのようで、本作とよく似た不思議な世界が繰り広げられます。
オープニングで「18世紀 理性の時代」と表記しながら、こちらでも現実と虚構の世界が交錯する。
「嘘や戯言ででっち上げた現実なら、そんな現実などわからない方がいい」とほら話をするミュンヒハウゼン男爵。
本作にも通じる、現実と非現実の差なんて大したこっちゃないという監督のメッセージでしょうか?

映画を見るというのも、暗い映画館に入ったところで現実ではない虚構の世界が繰り広げられるという意味で
非現実の鏡の世界に入るようなものですねぇ。

昨年末行ったシルク・ド・ソレイユ「コルテオ」の雰囲気は、まさにDr.パルナサス率いる
旅芸人一座のそれと重なりました。

パルナサス博士を演じるクリストファー・プラマーは何と80歳!
「サウンド・オブ・ミュージック」のトラップ大佐は今も渋い二枚目でイケメン3人組に負けてません。

本作のヴァネッサを演じたリリー・コールと「バロン」に出演している若い頃のウマ・サーマンって
従来の美形のイメージから外れた美形という点で似ていませんか?
ギリアム監督はこういうお顔立ちがお好みですね。
      

バロンと旅を共にする少女サりーを演じているのが現在監督としても活躍中のサラ・ポーリーであることに
驚くと共に20年の時の流れを感じました。
     




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 ***** 見た 映画 *****

 2月 2日 「オーシャンズ」@ワーナーマイカルシネマズ海老名

       「Dr.パルナサスの鏡」@ワーナーマイカルシネマズ海老名

 2月 6日 「バロン」DVD