のろや

善男善女の皆様方、美術館へ行こうではありませんか。

ザムザ君の来宅

2008-12-23 | Weblog
風邪がなかなか治らないのは手袋とマフラーとニット帽子の手放せないような部屋で生活しているせいかもしれないと思い始めた次第。
エアコンは無いのかって。
あるんでございますがね、この2年ばかり一度もスイッチを入れておりませんので、どんな風が出るやら恐ろしくて使えないんでございますよ。

それはさておき

ドイツ語勉強中ののろ。
目標はカフカを原文で読むことでございます。
先日久しぶりに大きな書店に行きましたら、ドイツ語学習本のコーナーに『変身』の輸入盤朗読CDが並んでおりました。
ちんたら学習でまだまだこういうものの聴き取りができるレベルではないんでございますけれども、耳慣れたいので勇んで購入いたしました。

ところが帰宅して、日本語で値段等の書いてある帯を取り去りました所、その下から…




ぎやあああ!
ゴ(以下略)

ううっ
デザイナーさん。
カフカは『変身』の初版が出るとき、たって希望していたんじゃございませんか。
扉絵に虫そのものの姿は描かないでほしい、遠くに小さく見えるのだっていけない、と。
それにザムザ君がゴ(以下略)に変身したなんて、どこにも書いちゃいないじゃござませんか。

それなのに



中まで。

この朗読CDのシリーズは全て、写真を使ったデザインでジャケットを統一しているようでございますので、なにしろ具体的なものを出さないとしょうがなかったのではございましょう。
それにしたって、ザムザ君の姿に依拠せずにこの作品を表現するモチーフはあったはずでございます。
テーブルの上のリンゴとか、窓辺に置かれた椅子とか、物置のような薄暗い部屋と外に向って開いた窓とか。
殺虫剤のスプレー缶に描かれているイラストすら苦痛なのろには、このCDを手に取るたび、取り出すたびにゴ(以下略)さんと対面せねばならないというのは、ちょっとかなり非常になんとも拷問的なことでございます。

だいたいねえ、ジュンク堂さん、あぁた、これわざと帯で隠して売ってたでしょう。
このデザインと知っていればあたしゃ別のを買いましたよ、ええ。

最近、虫系の悪夢をよく見るのはこのCDが枕元にあるせいかしらん。
初夢も虫系だったら嫌だなあ。

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