のろや

善男善女の皆様方、美術館へ行こうではありませんか。

『1920年代の画家たち』展2

2007-03-04 | 展覧会
3/1の続きでございます。

キスリングが5点もございました。
人物画が2点と、静物画が3点。

静物がよろしうございましたねえ。
とりわけ『魚の静物』が印象的でございました。
バロック絵画のような黒々とした陰影の中に、色とりどりの魚が映えており
鮮やかな色彩と強い黒の対比が見事でございます。
横倒しになった籠と、そこから無造作にこぼれ出る魚という
なんてことのない卑近なモチーフでありながら、なにやら神秘的な雰囲気を発しておりました。

キスリングのちと華麗すぎるほどに華麗な色彩から
ふと視線を外して横を向きますと
突き当たりにはヴラマンクの『冬の村道』が。
ヴラマンクお得意の、寂寞とした雪景色。
比較的大きめの作品ということもあり、
道路が画面の奥に向ってまっすぐ伸びていく、奥行き感重視の構図ということもあって
離れた場所からも見られる位置に展示してくれたのでしょう。
ナイス配置でございます。

独特のスピード感ある荒い筆致で、細部はばっさりと省略されているのでございますが
細部を書き込まぬことによってかえって、人の眼に映る風景としてのリアルさが醸し出され
冬の冷たい空気が画面から しんしんと 観る者に迫ってまいります。
ざくざくとした雪が積もり、わだちとなっている街路には
そのまま歩み入って行けそうな現実感がございます。


一度はキュビズムに接近したものの、そのあまりに理知的な傾向に反発して
独自の表現を模索したヴラマンク。
画面上の構成や、現実にあるモチーフを幾何学的なかたちに還元するといった知的な側面を重視したキュビズムに対し
ヴラマンクは、眼前の対象から受ける 感覚的なもの を把握し
再現することに心を注いだ、ということでございましょうか。



どうも最近脳神経がキュビズム的に分割されかつ再統合されぬままに放置状態でありますのろ。
文章をひねり出すことが甚だ困難となっております。
よって本展についてはこれにて。
読みづらい&唐突終わりにて申し訳ございません。


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