のろや

善男善女の皆様方、美術館へ行こうではありませんか。

ハイチのこと

2010-01-28 | Weblog
大地震がハイチを襲ってから2週間が経ちました。
ユニセフ赤十字、ワールドビジョンなどを通じて募金されたかたも多いことと存じます。
充分にはほど遠いにしても、救援物資が被災者のもとに届き始めたというニュースも耳にいたします。

しかしハイチは西半球一とも言われる貧困国であり、米仏をはじめとする諸国に対する多額の債務を抱えています。
しかもその借金のおおもとが、単に経済政策の失敗ですとか不況のあおりというだけではなく、1820年代の独立時に、宗主国(つまり原住民の土地を占領して植民地を作り、アフリカから拉致して来た人々を奴隷として働かせて得たコーヒーと砂糖で大もうけした)フランスによって要求された莫大な「賠償金」だというのですから、驚きでございます。
これは言ってみれば、家に上がり込んで好き放題やっていた居直り強盗から「出て行ってやる代わりに賠償金を払え」と言われ、その支払いのために子々孫々にまで渡る借金を負ったようなものではございませんか。
賠償金それ自体は(約100年かかって)完済されましたが、その後も経済は停滞し、借金漬け状態で今に至っているということでございます。
今回の地震を受けて、債務帳消しを呼びかける声が債権国からも上がっておりますが、いまだ動きを見せない国もあります。その上、債務帳消しが実施されても、結局は将来に負担を残す、かたちばかりのものとなってしまう恐れもございます。
ハイチ救援策として実のある債権放棄の実施を各国に求めるため、国際NGO、Avaazから届いた署名呼びかけメールを、以下にご紹介いたします。

なお、ハイチ略史はこちらのブログさん↓が大変分かりやすくまとめておられます。
ハイチ雑感 - Tech Mom from Silicon Valley
ハイチ国民が独裁政権によって負わされた「不公正な債務」、および借金のスパイラルについてはこちら様↓の記事がたいへん勉強になりました。
震災被害者とブラック・ジャコバンたちに情熱と思いを寄せて~ハイチ大地震と債務帳消し:attacこうとう(準備会)


以下、Avaazからのメール(和訳文責:のろ)
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Dear friends,
ショッキングな事態です。地震で破壊されたハイチの社会に援助の手が差し伸べられる一方で、この国の資金が国外へと流出しているのです。ずっと昔に、破廉恥な政府や指導者らによって課された、10億ドルを超える不当な借金を返済するためです。

ハイチに対する債権の放棄を呼びかける声は世界中で高まっており、すでにいくつかの国が応じています。しかし、その他の裕福な債権国は、この提案を拒否すると噂されています。カナダでのG7の財務相・中央銀行総裁会議を来週に控えて、事態は逼迫しています。

悲劇に襲われたハイチの人々のため、全世界から、公正と慈愛、そして良識を求める声を上げようではありませんか。私たちAvaazは連携機関と共に、債権放棄を求める請願書を、上記会議に参加する首脳達に直接届けます。下のリンク先から、署名にご参加ください。そしてお友達にも参加を呼びかけてください。

DROP HAITI'S DEBT

(のろ注:署名のしかた、送られるメッセージなどは当記事の*****以下をご覧下さい)

地震の前でさえ、ハイチは世界の最貧国のひとつでした。奴隷たちの蜂起によって1804年に独立を勝ち取ったハイチに対して、フランスは巨額の賠償金を要求し、2世紀に渡って続く貧困と不当な借金のスパイラルをひき起しました。

近年、債権放棄を求める世界規模のキャンペーンが、この問題に対する世界の人々の注意を喚起しました。そしてこの数日、人々からのプレッシャーの高まりによって、ハイチのひどい負債を軽減しようという声が、指導者たちからも聞かれるようになりました。

しかし「悪魔は細部に宿る」とも言います。例えば2004年のインド洋大津波ののち、IMFは被害にあった国々の負債を軽減しました。しかし根本的な借金は手つかずのまま残されたため、ひとたび人々の関心が薄れるや、返済すべき金額は過去最大にまで膨れ上がったのです。

ハイチの負債を完全かつ無条件に解消し、復興支援を借款ではなく譲与によって行うことが保証されなければなりません。ここでの勝利は、世界の関心が薄れたのちも、ハイチ国民の生活の好転に役立つでしょう。

テレビやパソコンで被災地の映像を目にすると、暗い気持ちにならずにはいられません。ハイチと富裕国との関係の歴史も、決して明るいものではありませんでした。

けれども今このような時だからこそ、変革をもたらすことも可能です。ハイチ支援のため、世界中から寄付が集まっています。Avaazには10日間のあいだに100万ドルを超える義援金が寄せられました。ハイチの人々を自然災害に対して弱い立場に追いやったのは、人的災害です。この人災に取り組むため、世界市民として声を上げましょう。

私たちにできることは、決して充分なものとは言えません。それでも、せめてできるだけのことをしようではありませんか。

With hope,

Ben, Alice, Iain, Ricken, Sam, Milena, Paula, and the whole Avaaz team

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送られるメッセージ

各国財務相、IMF、世界銀行、米州開発銀行 、およびハイチに対する債権者の皆様へ
大災害からの復興のため、ハイチに対する10億ドルに上る債権の放棄、および、更なる負債に繋がる借款ではなく、譲与というかたちでの復興支援をお約束くださるようお願いいたします。

(以上)

リンク先画面右側に出ておりますピンク色のバーと数字が、現在署名に参加している人数です。のろがこの記事を書いている時点で、25万4324人が参加しています。

署名のしかた
水色のバーで出ております Sign the Petition 欄

以前にも署名したことがあるという方は一番上のAlready Avaaz member?の空欄にメールアドレスを入れてピンクのSEND:送信ボタンをクリックしてください。
初めての方はその下に、
Name:お名前
Email:メールアドレス
Cell/Mobile : 電話番号(必須ではありません)
Country:国籍(選択)
Postcode:郵便番号
を入力の上,右側のYour personal massage欄にあるピンク色の Send:送信ボタン をクリックすると参加できます。

入力したアドレスにはご署名ありがとうメールが届きます。
その後も署名を呼びかけるメールが随時届きます。
それはちょっと...という方は、送られて来たメール本文の一番下にある go here to unsubscribe.(青字)という所をクリックして、移動先の空欄にメールアドレスを入力→SENDをクリックすれば登録は抹消されます。

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