のろや

善男善女の皆様方、美術館へ行こうではありませんか。

年賀状2012

2012-01-28 | Weblog
白い服を着たお迎えが腰の高さに両手を構えてやって来るのを見て
「あっ、これはもういかん」と思ったわけです。
呼吸が止まって前のめりに倒れ込んで行く数秒の間に、あー消滅ですか、消滅だわなやっぱり、まあしょうがねえや、とか、いやはやいざとなってみると怖がる暇もないもんだなあ、とか、予想はしてたけどイワン・イリイチが言ってたみたいに喜ばしいことなんて全然ねえや、などの思いがパッパカと脳裏を駆け過ぎて行ったのち、こと切れる瞬間に考えたことは「ま、こんなもんか」でございました。



こんなも~んよ~♪

まあ何事もなく目が覚めましたけどね。


それはさておき
今年の年賀状はこんなでございました。



ゴム版一色刷り、オレンジ色の部分は手彩色。
当初は星のデザインを、正三角形を上下に重ねたいわゆる「ユダヤの星/ダビデの星」の形にしようと思っておりました。あの形の安定性や、五芒星に比べてツンツンが穏やかで可愛らしい所が好きなので。
ところがいざ描いてみると「ユダヤの星に炎を吹きかける」という思いのほか不穏な絵になってしまったため、ツンツンの部分を少々尖らせたこのようなデザインに改めました。

いい年でありますように、というよりも、あんまりひどいことが起きない一年でありますように、と願わずにはいられなかった年明けからはや4週間、なんだかもう何もかもどうでもよくなりつつある自分がおりますけれども、とりあえずベン・シャーン展とソーターさんの新作群を観るまでは死なないようにしよう、とまたも志の低い抱負を抱くのでございました。

ああでもひょっとして、今朝夢を見ている間にのろは本当に死んでしまって、今のワタクシはただ死んだことに気付いていないだけなのかもしれません。だとすると、こっちの世界というのも、あちらと全然代わりばえがしないもんでござますねえ。寒いし乾燥しているし陽は沈むしお腹はすくし、自転車の前かごは壊れたままだし、おまけに明日は仕事ときたもんだ。なんだかなあ。
しかしこちらでもFMで週に一回『ウィークエンド・サンシャイン』と『世界の快適音楽セレクション』が放送されているというのは、なんとしてもありがたいことでございます。たとえ目覚めた所が地獄の釜の中であろうとも、毎週これらの番組を聴くことができるならば、それなりに心楽しく永劫の時を過ごせそうな気がいたしますよ。


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