のろや

善男善女の皆様方、美術館へ行こうではありませんか。

一戸建て美術館

2006-02-01 | 美術
最近は 複合ビルの中にある美術館 が多くなってまいりましたね。
交通の便や立地条件を考えれば、妥当なことやもしれませぬが
やはり美術館は一戸建てがよろしうございます。

まずもって 遠くから一目見ても
「ああ、あれが美術館に違いない」と分かるような
個性的な面持ちをしている、というのが よろしいではございませんか。
その、いかにも建築家がクリエイティビティを駆使したような建物へと
だんだん近づいて行く時の、わくわくする心持ちといったら。

先日取り上げました和歌山県立近代美術館を例に申し上げますと。

この美術館は和歌山城のお向かいの小高い所にありまして
南海の和歌山市駅方面から、和歌山城のお堀に沿って歩いて行きますと
ぽん と突然現れるのです。

まず なにがいいって
ひ さ し がよろしいんでございますよ。
↓HPで建物の片側だけ見られます。
和歌山県立近代美術館

のろは初めてここを訪れた時、建物の側面から
びゅうん びゅうん と可笑しいほどに長々と、楽しげに張り出しているひさしを見て
「ああ、こんな面白い顔をしたひとは、美術館氏に違いない」
と思い、嬉しくなってしまいました。

エントランスへと向かう階段も、ひさしと対応するようなぐあいで
格段のへりが張り出しております。
グレーの外観とガラスがぴしっとシャープな印象を与える一方
階段の手すりはぐねぐねとランダムに波うち これまた楽しげです。

まったく実に
この階段を上って行くだけで
ああまたここに来られてよかった
と 幸せを感じさせてくれる建物なのでございますよ。

そう、美術館は一戸建てが一番。
立地が多少、郊外になってもよろしゅうございますから
ぜひとも独立した建物であってほしいのでございます。

そうした美術館が成り立つためには、
多少、郊外であっても、足を運ぶ人々がいる という文化状況が必須です。

皆様、美術館へ、行こうではありませんか!


最新の画像もっと見る

コメントを投稿