のろや

善男善女の皆様方、美術館へ行こうではありませんか。

京都グッズ

2012-03-02 | Weblog
長らくイラストの仕事でお世話になっている「京町家友の会」さんから、この度オリジナル製品が発売されました。



例によって、京都に生まれ育ったわけでもなければ京都文化に造詣が深いわけでもない上に率直に言ってへたっぴいであるワタクシがこういうものに携わっていいのかしらん、と甚だ心苦しく思いつつも、どうにかこうにか4×12枚の全絵柄を描かせていただきました。



遊び方は基本的に花札と同じでございます。猪鹿蝶や松や牡丹の代わりに京都の年間の風物が描かれておりますので、三大祭りが揃ったらプラス100点、とか、吉田神社(2月・節分)と平安神宮(6月・花菖蒲/10月・時代祭)と大文字山(8月・送り火)で左京区スペシャル、あるいは舞妓さん×2(1月・福笹/4月・都をどり)と斎王代(5月・葵祭)できれいどころスペシャル、狂言(2月・節分)と能(9月・菊慈童)と歌舞伎(12月・南座)で伝統芸能スペシャルなどなど、京都ものならではのルールで遊んでいただけるかと。



↑左上から時計周りに下鴨神社の流鏑馬(5月)、洛西のたけのこ掘り(4月)、法金剛院の蓮(8月)、上賀茂神社の斎王代(5月)、壬生狂言「節分」(2月)、天神さんの茅の輪くぐり(6月)、そして桜餅(4月)。

48枚中、描いていて一番楽しかったのは壬生狂言でございました。逆にしんどかったのは、全くの門外漢であるためリサーチが大変だった11月の「炉開き」(茶室の「炉」を使い始めること)や、舞妓さんの着物の柄や腕を高く上げた時の振袖のかたちを調べるのにこれまた時間がかかった「都をどり」、そして上の「流鏑馬」と「蓮」あたりでございます。これは資料のあるなしという問題ではなく、疾走する馬やほころぶ蓮の花を描くのが難しかったからでございます。ああでもないこうでもないと何度修正したことか。まだ直したいけれど。そもそも日頃の精進が足りないからこういうことになるのです。

おおむねラジオか音楽を聴きながら作業を進めました。何であれ、作業がすいすい進む時に聴いていたものは記憶に残りませんのに、しんどい作業をしながら聴いたものは妙に頭にこびりつくもので、この蓮の札を見る度に、ある日の「元春 Radio Show」が思い出されてなりません。パチンコ好きのツアーメンバーに連れられて初めてパチンコ屋へ足を踏み入れた佐野元春、あまりにもはずれてばかりなので、見かねた店員さんから「ここ、ここを狙うんです」と指導を受けたとのこと笑。

また「たけのこ彫り」のための参考画像を探しておりました時、頭の上にたけのこを乗せた猫、という何とも奇妙な画像に行き当たり、「頭に何か乗せた猫」の世界にはまりこんでしばらく抜け出せなかったということもございました。

かご猫 Blog

拙宅のプリンタ不調のため色見本が出せず、印刷屋さんには大変ご迷惑をおかけしました。
とはいえ、最初の色校正が刷り上がった段階で初めて業者さんから「折り返しのため全周囲2ミリほど隠れます」と知らされ、全絵柄2ミリ縮小&サイズ拡張&描き足し作業をしたのろさんもそれなりに大変ではあったのです。

愚痴はさておき
製品は今の所、京都市内の三カ所にて発売中でございます。
詳しくは京町家netのHP↓をご覧下さいませ。

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2 コメント

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お疲れさまでした (ハスダ)
2012-03-03 23:43:56
こんばんは。
ちょっと見ただけでも、かなり細かく丁寧に描かれていらっしゃることがうかがえます。点数も多くてとても大変な作業だったと思います。
のろ様は「まだ直したいけれど」とおっしゃられていますが、こうして出来あがった現物を前にすると達成感もひとしおではないでしょうか。
なかなか京都に足を運ぶ機会が無いのですが、手にとって一枚ずつゆっくりと見てみたいです。
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Unknown (のろ)
2012-03-04 20:54:10
ハスダ様、暖かいお言葉、ありがとうございます。
悪い所ばかり目につくたちなので、ああ、ここはいかんかった、ここもいかんかった、と、見返すと頭を抱えることしきりですが、そう言っていただけるといささか救われたような心地がします。
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