のろや

善男善女の皆様方、美術館へ行こうではありませんか。

絵本作家ワンダーランド展

2006-06-18 | 展覧会
絵本作家ワンダーランド展 へ行って参りました。
~7/2まで 京都伊勢丹7F 美術館「えき」にて開催中でございます。

「絵本原画展」には、まずもってハズレがございません。
のろは関西圏で開催される絵本原画展には、8割がた足を運んでおりますが
いつも独特の充実感と幸福な気分に伴われて
会場を後にするのでございます。

本展もしかり。
しかもですよ奥さん、
今回はこのお値段! どんっ

600円。

このお値段で、世界的古典である『ちいさいおうち』(バージニア・リー・バートン)や
『わたしとあそんで』『もりのなか』(マリー・ホール・エッツ)、
『アンジュール』
(ガブリエル・バンサン)などなどの作品がいちどきに見られてしまうのですよ。

上記のビッグネームの他にも、本展には有名どこが集まっております。

ジョン・バーニンガム
『ガンピーさんのふなあそび』が有名ですね。本展には『エドワルド----せかいでいちばんおぞましいおとこのこ』他から展示。
イアン・ファルコナー
『オリビア』シリーズ。繊細な黒と鮮烈な赤に感動されたし。
ルーシー・カズンズ
『メイシーちゃん』シリーズ。でかいですよ、本物は!
島田ゆか
『バムとケロ』シリーズが有名でございますね。本展には『ぶーちゃんとおにいちゃん』が展示されております。
荒井良二
多作すぎてどれが代表作なんだか分かりませんね、この方は。
それから
ゲオルゲ・ハレンスレーベン(『リサとガスパール』)、瀬川康男(『ことばあそびうた』)、エロール・ル・カイン等等。


「コピーと本物の違いは、オーラが有るか、無いかだ」
と言ったのが誰であったか、のろは忘れてしまいましたが
絵本のように印刷物として広く出回っているもの、
コピーとしての姿で、わたくしたちに親しまれているものなればこそ
「本物」と対面した時、そのオーラ、その迫力に驚かされるのでございます。
逆に言えば、原画を堪能したあとで印刷されたものを見ると、
ああなんと平板になってしまっていることよ、と嘆息を禁じ得ないのでございますがね。

本展において、のろ的にとりわけ圧巻だったのは
酒井駒子氏の作品でございます。
この方の描き下ろし作品が、チラシやチケットにおいて大々的にフィーチャーされておりますね。



『よるくま』や『赤い蝋燭と人魚』が有名でございますが
今回展示されておりますのは、ブラティスラヴァ世界絵本原画展で金賞を受賞した
『金曜日の砂糖ちゃん』をメインに、『きつねのかみさま』他から8点ほどでございます。
「金曜日の砂糖ちゃん』は手のひらサイズの小さな絵本ですが
原画はA4~A3ほどの大きさ。(サイズいろいろ)
あの、やわらかくかすれた何ともいえない肌合い、そして圧倒的なデッサン力が醸し出す迫力は
ぜひとも原画で味わっていただきたいものでございます。

美術館というものは、たいてい月曜定休なものでございますが
こちらは会期中無休でございます。
しかも、 連 日 、午後8:00まで開いております。
次回のウィリアム・モリス展の割引チケットも貰えることですし
「行って損はない」と、自信を持ってお進めできる展覧会でございます。

絵本作家ワンダーランド<公式サイト>



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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
藤田嗣治展行ってきました (共猫)
2006-06-23 05:02:06
開館直後に行ったにも関わらず沢山の人でした。音声ガイド機を借りてたっぷり堪能!一時間50分も・・・  のろ様の解説が参考になりました。 歳を重ねるごとに作風が変って行く〔人生ですね〕 共猫も居たし  自画像の背景のアトリエの懲り方も好きでした。お洒落な日本生まれ、フランス人で眠る。
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Unknown (のろ)
2006-06-23 09:51:41
おお、行っていらしたのですね。

大々的に宣伝していることもあって、お客さんの入りは良いようでございます。それでも、ゆっくりご覧になれたのはよろしうございましたね。

こう、ダイナミックに変化して行く作風をたどると、まさに彼の人生につきあっているような感じがいたしまして、「絵画作品を鑑賞する」ということ以上の経験をしたように思います。

猫もよろしうございましたね。あの、下目づかいの にやっ とした表情、なんとも申せません。

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