のろや

善男善女の皆様方、美術館へ行こうではありませんか。

ノート製作

2012-02-06 | 
政治のショー化がよいこととは全然思いませんけれども、毎度毎度アメリカ大統領選に見られる熱気というのが、実はいささか羨ましくなくもありません。熱狂できるということは、少なくとも託せるだけの希望があるということであり、「どーせ何も変わらんし無駄無駄」という実験動物のような無気力状態よりはまだしもマシなもののように見えるからでございます。

それはさておき

2004年から使っている鑑賞記録ノートがそろそろ残り少なくなってきたので、新しいのを作ることにしました。
↓左端が今のノート。8年の間にクロスの紺色が随分褪せてしまいました。

まず本体を作ります。今のノートに使ったのと同じ無地の紙を折丁にして重ね、折丁同士を繋ぐための支持帯を背に渡しつつ綴じていきます。写真(上段中央)は綴じ終わった本体の両側に緑の見返し紙を貼り、背の丸み出しをしたのち寒冷紗を貼った所。

せっかくなので少しは凝ったものを作ろうという気になり、表紙で遊ぶことにしました。普通ハードカバーの表紙には2ミリ厚の板紙を使うのですが、今回はまず約0.7ミリ厚の厚紙を使います。表紙サイズにカットして、色々な大きさの窓を切り抜くとこんな感じ。



切り抜いた部分のエッジがツンツンしているので、へらで押さえて落ちつかせます

表からエンジ色のクロスを貼って窓の部分で折りこむつもりなのですが、何しろやったことのない作業ではあり、隙間から厚紙の白が見えてしまわないか心配な所。そこで隙間にあたりそうな角の部分に、クロスの色と似た暗色を塗っておきます。
下段右端はクロスを貼った所。

クロスに切れ目を入れ、織り込み、表から見るとこんな感じに。



さてここで取り出したるは、くだんの0.7ミリ厚紙を2枚貼り合わせて、表紙大にカットしたもの。窓から見える位置に端切れを貼ります。これを上の窓つきクロスでくるむと、標準通り約2ミリ厚の表紙が出来上がるという寸法です。背表紙の部分にも芯として紙を貼り、丸みを出しておきます。
こんな感じで表紙の準備もできた所で、本体にはしおり、花ぎれ、クータを貼付け。

あとは本体と表紙を接合させて完成。



まあまあ悪くないものができたような。
こうした手作業のよい所は、どんなネガティヴな雑念や無気力の嵐に見舞われようとも、ともかく目の前の作業をひとつひとつ自分でこなして行かないことには何も進まないということであり、またそれをひとつひとつこなして行けば(ほぼ)確実に完成へと近づくということ、さらにはその進捗具合がはっきりと目に見える、という点でございます。
この点、自転車のいい所にもちょっと似ているなと思います次第。


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