二重生活~ふたえぐらし

日々のこと、読んだ本や漫画、ライブの感想等

邪リーダーズ

2006-10-15 23:24:51 | 本・漫画
●腐女子な内容注意!



一日、授業の課題本を読んでいた。

ハーマン・メルヴィル「白鯨」

内容についてのまじめな感想や読解は授業のためにとっておくとして、気になったのは、漂う濃厚なスラッシュ臭。
メルヴィルはゲイだったのではという内容で本を書いた学者もいるらしいけど、それも無理もない。
だって始まって数十ページで起こる展開が

“宿屋のベッドが足りないため、見知らぬ男と一緒に眠る羽目になった主人公。最初は嫌がっていたものの、男の姿を見た途端にすっかり魅了されてしまう。同じベッドで一夜を過ごし、朝になってみると主人公は男の腕の中に抱きしめられて身動きがとれなくなっていて…”

と、今は亡きビブロスばり。
そしてそれから数ページ後には、男が主人公に

“額をわたしの額にすりよせてきて、わたしの腰をしっかり抱きかかえ、これからは夫婦になりましょうと言った”(←原文ママ)

こんな展開、たまげたわ!
そのほかにも

“日焼けした若い船乗りの頬からは芳香がしてきそうだ”
“ぬるぬるの油の中で、仲間の瞳を感傷的に見上げながら彼らの手をしごき続ける主人公”
「船長、わたしの船長!行かんで、行かんでください!」(手を握りしめ、ひしと視線を合わせながら)

そんな、ウホッいい(海の)男な描写満載で、どうしたものか。
真剣に読んでも解釈に困る。
メルヴィルはほかの作品でも海の男の美を讃えまくっていたりして恐ろしい。
古典は侮れないな。


●ほかに読んだもの。

女性漫画家によるシャーロック・ホームズのコミカライズアンソロジー「緋色の研究」
BLコーナーにおかれてたけど、内容はにおわせる程度で健全なもの。
どのホームズも美形で、ワトソン君の髭はなかったことにされがちだったけど。

小栗虫太郎「白蟻」も読み終わった。
今さら驚かないけど、殺人の方法がとんでもなかった。
奇形の幼児の股の間から明かりを照らすことで殺人、て。

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1 コメント

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念のため (マナ子)
2006-10-15 23:45:44
白鯨の主人公は男性で、立派な船乗りです。

あと正確には主人公ではなくて物語のナレーター的役割。
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