二重生活~ふたえぐらし

日々のこと、読んだ本や漫画、ライブの感想等

10年近し[本/漫画]

2015-10-26 23:29:15 | 本・漫画
日曜日は、久しぶりに1日読書。
夜から銭湯へ行った。
電気風呂で小学生がはしゃいでいた。


●最近読んだ本/漫画

・カラスヤサトシ『カラスヤサトシのビックリカレー』
カレー好きの世界も奥が深い!
この人の漫画は一読して面白い!って感じでもないけど、なんか何度も楽しく読めちゃうな。

・貴志祐介『黒い家』
人間が怖い系ホラーの中でも、これは怖いと聞いていたけど怖かった。
保険金目当ての殺人事件という粗筋で、こうも怖いとは。
“普通にいる普通でない人”の怖さ。
私が思い出したのは、前に見かけた、凄まじい悪臭をさせながら(ズボンの尻が茶色く染みてる)スーパーをうろつく太った女と、
電車内で目に入る誰彼構わず怒鳴り付けていた変に赤黒い顔の男。
“正常”ではないし“障害をお持ちの方”のような呼ばれ方もしない。
街で見かけることは見かけるけど、見ないことにしている人たち。
そこに真正面から向き合わざるを得なくなったら。
意を決してごみの山に踏み込んだら底がずぶりと抜けて首まで沈んで這い上がれなくなったら。

読んでいると犯人のことを、もはや人間の心の無い怪物だと割りきりたくなってくる。
ところがこの作品のヒロインは鬱陶しいやつで、あれも感情のある、同じ人間なんだと訴えて止めない。
結果、割りきることもできず、同じ人間、同じ種として、同じ社会ルールの中で“あれ”と生きていかざるを得ない。
という嫌な結論にたどり着いて、読後もじんわりと嫌な気分。

まとまらない感想になってしまった。
平凡な言い方になるけれど考えさせられるホラーだった。

・坂木司
『ホテルジューシー』『シンデレラ・ティース』
嫌な気分をさっぱりさせてくれたのは、この2冊。
姉妹作で、それぞれ友人同士の大学生の女の子の一夏のアルバイトのお話。
前者は変り者ばかりの沖縄のホテルで頑張るしっかり者ちゃん、後者は大人ばかりの歯医者で頑張るほんわかちゃんが主人公。
間違ったり、怒ったり、ときめいたりして、成長していく心の機微が細やか。
でも軽妙で、ちょっとしたミステリ要素もあって、楽しかった。

・椹野道流
『最後の晩ごはん ふるさととだし巻き卵』
『最後の晩ごはん 小説家と冷やし中華』
『最後の晩ごはん お兄さんとホットケーキ』
『最後の晩ごはん 刑事さんとハンバーグ』
シリーズ物の1~4巻。
傷ついたイケメンが料理人のイケメンに拾われてイケメン付喪神になつかれ、
イケメン常連客やイケメン兄やイケメン刑事との人間関係のなかで悩んだりしつつも、美味しいご飯を作って除霊する。
BLなんだけど恋愛要素が出てこなくて健全だから安心……みたいな。
良い意味でぬるま湯のような小説で、つい一気読み。