早朝、5時過ぎからのウオーキング。救急車のサイレンを聞きながら、次の仏教標語(西原作)が浮かんで来ました。
「ピポーは救急車 南無阿弥陀仏は阿弥陀さま 音でとどくその姿」
その時ふと、昨日紹介した『名前で読み解く 日本いきもの小百科』の文章を思い出しました。それは音がそのまま名前となった生き物です。以下転載。
名前自体、さえずりを「ほどとき」と聞かなし、カラスやウダイスと同様に、鳥を意味する接尾語「す」を足して「ほととぎす」と呼んだのが語源と考えられています。
根拠のひとつは、
暁に名告(なの)り鳴くなる霍公鳥(ほととぎす)いやめづらしく思はゆるかも
という古い和歌(『万葉集』巻18)ホトトギスが自分の名を呼んでいるというのです。(以上)
次は犬です。以下転載。
幼し子どもが最初に覚える言葉のひとつが「ワンワン」です。まだ実物に出合ったことがなくても、まわりの人がイヌの絵やぬいぐるみを指して「ほら、ワンワンだよ」と教えます。
あながち幼児語とは言い切れません。おとなだって「ワン公」や「ワンコ」を多用します。ちなみに「公」は敬称の一種で、ワン公は動物を擬人化した呼び方です。
イヌという名前自体、鳴き声に由来するという説が有力です。江戸時代の国学者、高田与清(一七八三年~一八四七年)は、吠え声を「ウェヌ、ウェヌ」と聞きなして「宇恵奴」の名が付き、宇恵奴(ウエヌ)~→宇奴(ウス)→以奴(イヌ)と変化したのだ、と推量しています(『松屋叢考』一八二六年)。
また漢字の犬は、イヌが耳を立てた姿をとらえた象形文字ですが、音読みのケンは、やはり声と関係が深そうです。(以上)