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仏教ライフを考える西原祐治のブログです

ビジネスネーム

2024年05月26日 | 現代の病理
今日(2024.5.26)の『読売新聞』「日曜の朝」に「実名はリスク?」というコラムが出ていました。今という時代を象徴する現象です。以下転載。

先日、ある福祉施設を取材した時のこと。「うちでは『ビジネスネーム』を使っているんです」。業務中、職員は本名とは異なる仕事上の名前「ビジネスネーム」を名乗っているという。
 ビジネスネームは芸名やペンネームのように本人が設定する名前で、最近、接客業を中心に広まっている。
 東京の多摩地域や新宿などを拠点に路線バスなどを運行する京王電鉄バスグループは4月からビジネスネームを導入した。バス乗務員のうち、希望者が対象。漢字、ひらがな、カタカナを使って「山田太郎」のように氏名形式で、本名と同じように運賃やバス停の表示機に掲示される。「プライバシーを確保するため」と同社広報は説明する。
  「特にSNS世代の若者にとって、実名を社会に広く明かすことはリスクと捉えられるようになった」と第一生命経済研究所首席研究員の宮木由貴子さんは指摘する。インターネット上で実名をさらされ、「炎上」する様子を幼い頃から見て育った世代はプライバシーに敏感だ。また、目的に応じてSNSのアカウントを作り、それぞれの名前を使い分けているため、氏名を複数使い分けることにも抵抗がないのだとか。
 幼い頃は、「季瑛」(キエ)という自分の名前が古風に感じられ、あまり好きではなかった。「さおり」だったらよかったのにと思った。軽やかで今っぽい子になれるような偽名を考え、友達と呼び合って遊んでいた。
 自分の名前がしっくりくるようになったきっかけは、「似合っているね」という友人の一言たったように思う。「名は体を表す」という通り、名前はその入らしさを表現する。ビジネスネームが自己表現の一つであればいいけれど、実名を明かすことが「リスク」になってしまうのは少しさみしい。  (野口季瑛)
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