『未来の年表 業界大変化 瀬戸際の日本で起きること』(講談社現代新書・2022/12/15・河合雅司著)、「寺院―多死社会なのに寺院消滅」という寺院のことが記されていたので購入しました。でも参考になる部分はなかったです。私にとってですが。知っている情報の羅列だったからで、一般の人にとっては、寺院の現状を知る手がかりになるかも知れません。
ただ今後、宗派との包括を結ばない単立法人が増えていくという記述は興味がありました。現在、寺院活動で岐路に立っているのは、寺院と共に包括法人の役割だからです。その部分だけ転載します。
増加する「単立宗教法人」
宗教法人の経営データというのは人手が困難である。宗派ごとに調査を行ってはいるか、公表は断片的である。だが、文化庁の「宗教年鎰」を確認すると、寺院経営の苦悩ぶりが浮かび上がってくる。日本人になじみ深い仏教を取り上げてみよう。仏教の法人総数(2020年12月31日現在)は7万7055法人だ。2000年末が7万7681法人、2010年末が7万7645法人なので、この20年であまり変化していない。
仏教では独立した宗教法人である寺院の大半は宗門、宗派に属し、その包括宗教法人(所属教団)に毎年、賦課金と呼ばれ無所属経費を納付している。そこで、包括宗教法人の数を調べてみると2000年末の167法人、2010年末の167法人に対し、2020年末は168法人なのでこちらも大きな変化はない。
これに対し、この20年で大きく変化したのは特定の団体と関係を持たない「単立示教法人」だ。2000年末には2504法人だったが、2010年末は2637法人、2020年末は2783法人と増加を続けている。特定の団体と関係を持つ「被包括法人」はそれぞれ7万4953法人、7万4777法人、7万4037法人と横ばい傾向をたどっており「単立宗教法人」の増加だけが際立つ。
「単立宗教法人」が増え続けている理由を仏教関係者に取材すると、常駐する住職がいない寺院の増加が数字を押し上げているのではという見方が多い。活動をやめた宗教法人が廃寺にするには本堂などの解体工事費がかがるため、包括宗教法人を離れてそのまま放置しているということである。(以上)
ただ今後、宗派との包括を結ばない単立法人が増えていくという記述は興味がありました。現在、寺院活動で岐路に立っているのは、寺院と共に包括法人の役割だからです。その部分だけ転載します。
増加する「単立宗教法人」
宗教法人の経営データというのは人手が困難である。宗派ごとに調査を行ってはいるか、公表は断片的である。だが、文化庁の「宗教年鎰」を確認すると、寺院経営の苦悩ぶりが浮かび上がってくる。日本人になじみ深い仏教を取り上げてみよう。仏教の法人総数(2020年12月31日現在)は7万7055法人だ。2000年末が7万7681法人、2010年末が7万7645法人なので、この20年であまり変化していない。
仏教では独立した宗教法人である寺院の大半は宗門、宗派に属し、その包括宗教法人(所属教団)に毎年、賦課金と呼ばれ無所属経費を納付している。そこで、包括宗教法人の数を調べてみると2000年末の167法人、2010年末の167法人に対し、2020年末は168法人なのでこちらも大きな変化はない。
これに対し、この20年で大きく変化したのは特定の団体と関係を持たない「単立示教法人」だ。2000年末には2504法人だったが、2010年末は2637法人、2020年末は2783法人と増加を続けている。特定の団体と関係を持つ「被包括法人」はそれぞれ7万4953法人、7万4777法人、7万4037法人と横ばい傾向をたどっており「単立宗教法人」の増加だけが際立つ。
「単立宗教法人」が増え続けている理由を仏教関係者に取材すると、常駐する住職がいない寺院の増加が数字を押し上げているのではという見方が多い。活動をやめた宗教法人が廃寺にするには本堂などの解体工事費がかがるため、包括宗教法人を離れてそのまま放置しているということである。(以上)