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仏教ライフを考える西原祐治のブログです

進化心理学から考えるホモサピエンス②

2023年05月29日 | 日記
『進化心理学から考えるホモサピエンス 一万年変化しない価値観』(2019/1/25、アラン・S・ミラー著)、

 なぜ売春は世界最古の職業で、ポルノ産業は10億ドルの市場規模を誇るのか

 よく言われることだが、娼婦は男の客をとるが、男娼も男の客をとる。同性愛者であれ異性愛者であれ、売春サービスの客はすべて男であり、セックスを全て買う女性はきわめて少ない。この性差は何に起因するのか。そして売春はなぜ最古の職業なのか。
 繁殖の生物学的な条件の違い(異形配偶と受精卵が母胎内で育つこと)から、男はできるだけ多くの女に性的に接近するほうが繁殖成功度が上がるが、女は性的に接近した相手の数がそのまま繁殖の成功につながるわけではない。男は年同1000人の女と関係をもてば、可能性としては1000人、実際のところは年間30人程度の子供をつくれる(一回のセックスで妊娠する確率は約二%)。女性はたとえ年同1000人の男とセックスしても、双子や三つ子を産まないかぎり、せいぜい一年に一人しか子供をつくれず、一人の男と定期的にセックスするのと変わらない。
一人の女性が一人の男性と100回(週に二回程度、一年問)セックスをして妊娠する確率は95%だ。したがって、男性と違って、女性にとっては、多くのセックスパートナーをもつ生物学的メリットはほとんどない。
 そのため、男は女よりもはるかに多くのセックスパートナーを求めるような淘汰が働いている。
調査によれば、若い男が二年間に性的関係をもちたいと思う女は八人ぐらいだが、若い女が求めるのは一人である。性的バラエティー(多くの相手とのセックス)に対する願望は、男のほうが女よりはるかに強い。
 売春という世界最古の職業は、性的バラエティーを求める男の欲望進化によって形成された欲望から生まれたものである。この職業が数千年も成り立ってきたのは、男にそうした欲望があるからにほかならない。そして、女性客を相手にする売春サービスがないのは、女性にはそうした欲望がない、少なくとも男ほどにはないからである。(以上)
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