『マンガでわかる! 認知症の人が見ている世界』(健康実用・2021/4/15、川畑智・遠藤英俊著)。
良く法話で「界はたもつものという意味、私の世界は、私の認識によって保たれている世界。仏の世界は、仏様のお覚りの認識によって保たれている世界。人はそれぞれ見えている世界が違う」と話します。
上記の本は、認知症の人に見えている世界を記した本です。奈良へ行くとき購入して、法話で話題にしました。
著者の理学療法士である川畑 智氏の言葉です。
【家族やケアをする人が見ている世界】
娘が認知症のお母さんからデイサービスはいつかと尋ねられ、明後日だと答えます。
娘はそのあとも何度も同じことを尋ねられます。
とうとう娘は怒り出してしまいました。
次に、同じ話を【認知症の人が見ている世界】から見てみましょう。
認知症のお母さんは、最近、忘れっぽく、娘に怒られてばかりです。
そのため、デイサービスがいつなのか忘れないように娘に何度も聞きます。
お母さんは、娘さんがなぜ怒りだしたのか理解できません。
「ケアする人が見ている世界」から見ると難なく覚えられる自分自身と比べるため「なんで覚えていないの?」「何回言えばいいの?」となり、質問が繰り返されると、ついイライラし、迷惑に感じてしまう…ケアする側によく見られるパターンです。しかし、「認知症の人が見ている世界」は、ケアする側の思いとは、全く違います。生活の中で、忘れてしまうことが増え、忘れること自体に不安を感じ、家族や周囲に迷惑をかけないよう「しっかり覚えておこう!」と頑張ろうとするわけです。ケアする側としては、「本人の努力であること」を理解し、本人が理解しやすいように、言葉を変えて伝え直したり、代わりに覚えておくので大丈夫、安心してもらって良いということを伝えることが大切になります。
【家族やケアをする人が見ている世界】
家族が明日は外食しようと話しています。
認知症のお母さんに外食することを伝えますが、不安そうな顔をされます。
【認知症の人が見ている世界】
お母さんは、家族の会話が早すぎて、何を話しているのか理解できません。
「わ か っ た ?」と聞かれて「うん、わかった」と答えましたが、話についていけず疲れてしまいます。
「ケアする人が見ている世界」を見ると、こっちを向いていたので、話を聞きうなずいたので、わかっているだろうと思い、十分に伝わっていないと、ついイライラし、迷惑に感じてしまう…
しかし、「認知症の人が見ている世界」は、ケアする側の思いとは、全く違います。
単語の意味を理解しにくかったり、話のスピードを速く感じてしまい、「まるで映画の早送り」を見ているようだ。と訴える方もいらっしゃいます。相手に迷惑をかけないように分かったように話を合わせる。家族や周囲を思う人として「当然の思い」なのです。
私たちでも、話を聞き逃したり、「方言」や「外国語」のリスニングが上手くいかないとその場を分かったように振る舞うことがあります。
認知症の人は言葉の通じにくい環境で過ごしていると想像できれば、会話の中で「ゆ・つ・く・り 話すこと」
「2・3語ほどの言葉で伝えること」
「身振りや手振りを先に出して伝えること」
を意識し、認知症の人の安堵、安心に繋げることができるでしょう。
【家族やケアをする人が見ている世界】
息子は認知症のお母さんが財布を探しているのを見かけます。
息子が見つけて、解決しました
ところが翌日、また「財布がない」と言われ、いい加減にしてくれと怒ってしまいました。
すると息子は、お母さんから、財布を盗んだのではないかと疑れてしまいました。
【認知症の人が見ている世界】
お母さんは、最近、財布をよくなくすので、なくさないようにと食器棚にしまいました。
しかし、どこにしまったかを忘れ、探しても出てきません。
頼りにしている息子に助けを求めますが、なぜか、怒って助けてくれません。
こんなに怒るという事は、もしかして、息子が盗ったのかしら?疑ってしまいました。
私たちの会話が早送り(2倍速以上)で聞こえていると言われています。
認知症が進むと、言葉を理解したり発したりする脳の領域が衰え、話を理屏するのが苦手になります。これも、「失語」の症状の一つです。
認知症の大は、人の言葉がビデオの早送りのようになり、言葉が連続してつなが゜で聞こえているといわれています。また、複数の情報を・時に理解することも難しくなっています。このような状況は、海外に行って周囲の人がみな外国語をしゃべっているという状態を思い浮かべると想像しやすいと思います。周囲の人と言葉が通じない……しかも、その相手が家族だとしたら、その不安はとても大きなものです。(以上)
良く法話で「界はたもつものという意味、私の世界は、私の認識によって保たれている世界。仏の世界は、仏様のお覚りの認識によって保たれている世界。人はそれぞれ見えている世界が違う」と話します。
上記の本は、認知症の人に見えている世界を記した本です。奈良へ行くとき購入して、法話で話題にしました。
著者の理学療法士である川畑 智氏の言葉です。
【家族やケアをする人が見ている世界】
娘が認知症のお母さんからデイサービスはいつかと尋ねられ、明後日だと答えます。
娘はそのあとも何度も同じことを尋ねられます。
とうとう娘は怒り出してしまいました。
次に、同じ話を【認知症の人が見ている世界】から見てみましょう。
認知症のお母さんは、最近、忘れっぽく、娘に怒られてばかりです。
そのため、デイサービスがいつなのか忘れないように娘に何度も聞きます。
お母さんは、娘さんがなぜ怒りだしたのか理解できません。
「ケアする人が見ている世界」から見ると難なく覚えられる自分自身と比べるため「なんで覚えていないの?」「何回言えばいいの?」となり、質問が繰り返されると、ついイライラし、迷惑に感じてしまう…ケアする側によく見られるパターンです。しかし、「認知症の人が見ている世界」は、ケアする側の思いとは、全く違います。生活の中で、忘れてしまうことが増え、忘れること自体に不安を感じ、家族や周囲に迷惑をかけないよう「しっかり覚えておこう!」と頑張ろうとするわけです。ケアする側としては、「本人の努力であること」を理解し、本人が理解しやすいように、言葉を変えて伝え直したり、代わりに覚えておくので大丈夫、安心してもらって良いということを伝えることが大切になります。
【家族やケアをする人が見ている世界】
家族が明日は外食しようと話しています。
認知症のお母さんに外食することを伝えますが、不安そうな顔をされます。
【認知症の人が見ている世界】
お母さんは、家族の会話が早すぎて、何を話しているのか理解できません。
「わ か っ た ?」と聞かれて「うん、わかった」と答えましたが、話についていけず疲れてしまいます。
「ケアする人が見ている世界」を見ると、こっちを向いていたので、話を聞きうなずいたので、わかっているだろうと思い、十分に伝わっていないと、ついイライラし、迷惑に感じてしまう…
しかし、「認知症の人が見ている世界」は、ケアする側の思いとは、全く違います。
単語の意味を理解しにくかったり、話のスピードを速く感じてしまい、「まるで映画の早送り」を見ているようだ。と訴える方もいらっしゃいます。相手に迷惑をかけないように分かったように話を合わせる。家族や周囲を思う人として「当然の思い」なのです。
私たちでも、話を聞き逃したり、「方言」や「外国語」のリスニングが上手くいかないとその場を分かったように振る舞うことがあります。
認知症の人は言葉の通じにくい環境で過ごしていると想像できれば、会話の中で「ゆ・つ・く・り 話すこと」
「2・3語ほどの言葉で伝えること」
「身振りや手振りを先に出して伝えること」
を意識し、認知症の人の安堵、安心に繋げることができるでしょう。
【家族やケアをする人が見ている世界】
息子は認知症のお母さんが財布を探しているのを見かけます。
息子が見つけて、解決しました
ところが翌日、また「財布がない」と言われ、いい加減にしてくれと怒ってしまいました。
すると息子は、お母さんから、財布を盗んだのではないかと疑れてしまいました。
【認知症の人が見ている世界】
お母さんは、最近、財布をよくなくすので、なくさないようにと食器棚にしまいました。
しかし、どこにしまったかを忘れ、探しても出てきません。
頼りにしている息子に助けを求めますが、なぜか、怒って助けてくれません。
こんなに怒るという事は、もしかして、息子が盗ったのかしら?疑ってしまいました。
私たちの会話が早送り(2倍速以上)で聞こえていると言われています。
認知症が進むと、言葉を理解したり発したりする脳の領域が衰え、話を理屏するのが苦手になります。これも、「失語」の症状の一つです。
認知症の大は、人の言葉がビデオの早送りのようになり、言葉が連続してつなが゜で聞こえているといわれています。また、複数の情報を・時に理解することも難しくなっています。このような状況は、海外に行って周囲の人がみな外国語をしゃべっているという状態を思い浮かべると想像しやすいと思います。周囲の人と言葉が通じない……しかも、その相手が家族だとしたら、その不安はとても大きなものです。(以上)