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仏教ライフを考える西原祐治のブログです

進化心理学から考えるホモサピエンス

2023年05月28日 | 日記
『進化心理学から考えるホモサピエンス 一万年変化しない価値観』(2019/1/25、アラン・S・ミラー著)、


進化心理学の前提となるのが、全ての生物は自分の遺伝子を後世に残すように本能的に動機づけられているということで、これが男女の違いを生み、私たちの意志決定にも影響しているという。

・生殖が可能であるかどうかを示す価値=繁殖価が女性では重視されるため妊娠可能性を示す見た目(若さの特徴)が重視される。

・雌が複数の雄と交配する種ほど雄の生殖器は大きい傾向がある。

・離婚したカップルの父親が母親ほど子育てに熱心ではないのは、その子供が本当に自分の遺伝子を受け継いだ子か分からないため。母親からすれば自分の子供は100%自分の遺伝子を受け継ぐ子供だと分かるから熱心に子育てする。
・家庭内の子殺しは継母、継父による事例がほとんど。

「本当かな?」とおもう記述もありますが、本から転載してみます。

 男の嫉妬深さも、進化によって形成された心理メカニズムだ。ヒトと大半の哺乳類では、胎児は毋胎内で育つので、雌はお腹の子が自分の子だと安心していられるが、ヒトの男性も含め雄は、つがい相手の子が自分の子かどうか確信がもてない。いい換えれば、自分の遺伝子を受け継いでいない子をそれと知らずに育てる「間拔けな寝れられ男」になりかねないのだ。妻が不倫して妊娠し、その子を自分の子だと夫に信じ込ませた場合である。ある推計によると、今日のアメリカでは13~20%、ドイツでは9~17%の子どもが、出生証明書に記載された法律上の父親の遺伝子を受け継いでいないという。別の調査では、メキシコの子供の約10~14%は、法律上の父親の血を受け継いでいないという。それより前にアメリカ、イギリス、フランスで実施された調査では、約10~30%という結果が出ている。テレビの昼問のトークショーをみればわかるように、寝取られ男の悲哀は現実にはあり得ない話ではないのだ。子供たちの10人に一人、ないしは三人に一人は、遺伝的な結びつきのない男に育てられているのである。
 進化の視点でみれば、よその見の子供を育てるために経済的、情緒的な資源を投じる寝取られ男は、次の世代に自分の遺伝子を伝えることができず、もてる資源を無駄にすることになる。そのため男には嫉妬深くなる進化的な動機づけが強く働くが、女は子供が自分の子かどうか確実にわかるから、その必要はない。この心理メカニズムから、男たちはしばしば体を張って妻を守ろうとする。これも、妻が他の男と性的接触をする可能性を最小限にするための行為だが、ときとしてそれが悲劇的な結末を招く。
恋愛関係では、男も女も同じような頻度で、同じように激しく嫉妬の感情をいだくが、何が嫉妬を招くかにははっきりした男女差がある。さまざまな文化圏で実施された調査と心理学的な研究から、男性は恋人の性的な不貞に嫉妬することがわかっている。その根底には寝取られ男になることへの警戒心がある。それとは対照的に、女性は恋人が他の女性に感情的に引かれることに嫉妬する。(つづく)
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