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仏教ライフを考える西原祐治のブログです

人類がいつ服を着たか

2023年05月14日 | 日記
『生きづらさはどこから来るか―進化心理学で考える』 (石川幹人著)に「人類は約七万年前に服を着た」ということが出来ていました。以下、転載します。


 人類がいつ服を着たかが、驚くべきことに、ビフミの遺伝情報を解析して推定されました。(コラス・ウェイド『5万年前』イーストープレス)。
 人間にとりついて生きるシラミには、頭につくシラミ(アタスビフミ)と、服につくシレミ(コロモジラミ)があります。アタマジラミは毛につくので、原始的な哺乳類の時代から伝統があったとみるこしかできます。
 繊維につく特有の体形をしているコロモジラミは、服が使われ出してから繁栄したと思われます。歴史的に言って、アタマジラミの一部が変化してコロナジラミになったと推測できます。
 当然ながら、アタマジラミとコロモジラミの遺伝情報はよく似ています。その小さな違いをとらえて、いつごろアタマジラミの一部がコロモジラミへと変化したのかを算定できるのです。
 その結果は、数千年の誤差があにしても、約七万二〇〇〇年前です。
 七万年前は、まだ地球の気温が低下していた氷河時代でした。その後の数万年間で、人類の祖先は次々とアフリカ大陸を出て世界中に拡がっていったことが、地質学や考古学の知見からわかっています。
 人類は、気温が低下した中でもなんとか生き残るために、服を着ることを発見し、その発明が、寒冷地への移住を可能にしたと説明できるのです。
 遺伝子の情報解析によって過去を掘り起こすことができます。太古の生物の歴史や人類の歴史を想像できるとは、なんと魅力的なのでしょうか。(以上)
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