超進化アンチテーゼ

悲しい夜の向こう側へ

クロス・マネジ 第34話「作戦2」 感想

2013-05-27 16:58:02 | クロス・マネジ(WJ系)















理屈が通っている。














今週感心したのは蝶蘭の攻めを看破出来た理由がこれ以上なくはっきりしていた点ですね
ミラクルパワーとか根性論だとか、才能なんかじゃなくて
きっちりと複線がまずあって(龍兄ちゃんから蝶蘭のDVDを貰った事、三森の「凡人先輩」発言など)
それにのっとって隙間を突いてみんなの努力によって鍛え抜かれたフィジカルでチャンスをものにする・・
そういうどのスポーツ漫画よりも真っ当な堅実さが完璧に光っていた相当の傑作回でした
ここまで理屈がきれいに通っていると非常に気持ちが良いですね(笑
しかもそれに加えて迫力やカタルシスもありますし、
これによって蝶蘭側にもドラマが生まれそうな予感もあったりして
益々漫画としてオールマイティになってきたなあ~という印象の34話でした
多分今週までが4巻分に相当すると思うのでここで引きだったら単行本派はかなり興奮してくれそう(笑
青春グラフティとしてもスポ根としても恋愛ものとしても面白い、という
利点を完全に証明し切っているここ数週です
だからこそ人気が上がって欲しいなあ、とも思ってたのですが
現実はやっぱり厳しいなあ。

まあ、改変が終われば元の位置に戻っちゃうんだろうな~、と予想はしてたんだけど
特設コーナーとか出来てたから「もしかして上がる可能性も」って気持ちが少しはあったのが本音
でも結局は単なる救済企画だったんだなあ・・・と
再び最下位に戻ってるのを眺めてるととっても悲しい気分になります
しかも今が一番面白い時期なのにこのポジションは相当にもったいないような。
最下位なのに正直今週一番面白く感じましたしね。
まあそれでも応援して祈るくらいしか出来る事はない訳ですけど・・・。

今伝えたいのは、
「クロス・マネジ」の良い部分って順番や段階を飛ばさない誠実さにあると思っていて
どの試合にもきっちり「勝てた理由」とそこまでの「過程」が感じられますし
すっげー圧倒的な才能で無双する、って単純明快な展開はないけれど
その分積み重ねて来たからこその気持ち良さがあって。
そこが大好きなんだけれど、
やっぱ段数を飛ばした方が若者的には受けやすいんじゃないかな、とか
それでも、例え受け狙いを外したとしても「真っ当さ」を貫いてるからこそ自分はこの漫画が好きな訳で
ここから才能や根性論モードになっちゃったら絶対に嫌な訳なんですけど(笑)。

でも、こうやって例え圧倒的な才能がなくても
無双する力がなかったとしても
ギリギリのところで足掻いて
きっちりとチャンスをものにして余裕を持たないままに今を掴もうとする
そういうスマートでない格好良さも受け入れられて欲しいなあ・・・と切実に思います
だからこうやって感想も書いてるんですけどね(笑)。
スマートに振舞おうとしても
現実は厳しいですから
そういった意味でこの漫画からはやはり強烈なリアリティを感じざるを得ないですね
才能もなく根性で乗り越えられる力がある訳でもない、それでもなんとか必死に勝ちを得ようと
ガムシャラに猫を噛もうとする窮鼠たちの物語。そのスタンスに個人的には圧倒的に共感してます
それもまた一つの少年漫画の美しい形だと私的には確かに思っています。


龍兄ちゃんって何だかんだ言いつつも結局「良い人」なんじゃないですかね
あのDVDを櫻井にくれたのは彼ですし、ちゃんと分析してくれた事を評価してくれてますし
本当はハッパかける意味でああいう態度を取ってたのかもしれないですね
ここまで辿り着けたのは龍兄ちゃんのお陰でもあると思うので
その意味じゃやっぱり過去の展開が上手く今に繋がっていて見ていて相当に気持ちが良いのが本音ですね
若本の視点も以前の3人で一緒に練習を見たりクロスを作ってた描写があったからこそ
説得力を含んでますし、
ここまで選手だけじゃなくその周辺の人々も一体となって強さを得ている、
そう実感出来る漫画もあんまりないんじゃないかと思う
今週は特にそれが強く感じられて最高でした

そして藤丘の面々の頑張りも印象的でした
必死に食らいつこうとして相当疲れ気味のざわちゃん、
でもそういう状態でもまだまだ頑張ろうとする気概に個人的に励まされます
うなさなの双子プレイも最早一つの立派な武器になってる感覚もあり
じゅん先輩も変わらず頼りになって良かった
そして、ここからはいよいよ「来ない」と言ってた深空ちゃんたちの出番ですね!
DFたちがあれだけ必死に頑張ってくれていたからこそ彼女の本気の活躍にも期待したいところです

そういえば、「ラクロスならでは」の部分もいよいよ本格的に提示され始めましたね
まあ「フリー・スペース・トゥ・ゴールの侵害」もアタッカーが有利なのも一度描かれてましたが
こうやって何度も描かれる事でより実感出来る辺り抜け目が無くて流石ですね
サッカーバスケと違って休める時間もちょいちょいあるっていうのも面白いです
そういう部分も含めて注目されては、と。


最後にもう一つ、試合の前に蝶蘭高校の軽い掘り下げがありましたが
あそこで三森さんを未熟・・・というか多少幼稚に描いたからこそ
より今の展開に説得力があると感じました
試合中でも「ムキになりやすい」「言動が幼い」等未熟さを感じさせる言動がありましたし
そういう性格的な部分を突いてくるのは非常に上手いな、と
でも彼女の成長も見られれば見てみたいですね。













あと冒頭の和峯さんと深空のシーンは
もう憧れるだけじゃなくて、今度は勝ちに行くんだ。という気概を感じさせてくれて良かった
そういう細かい部分もきっちり楽しめるのが奥深くて良いと思います。