超進化アンチテーゼ

悲しい夜の向こう側へ

スライムさんと勇者研究部 2巻/我孫子祐

2013-05-09 19:12:15 | 漫画(新作)

















我孫子祐「スライムさんと勇者研究部」2巻読了。














この漫画には独特のテンポ感があると思っていて、
それがゆるかわとか癒しって言葉に繋がってるんだと思うんですけど
個人的に思うのは結構作中の空気感とか女の子の描写にリアリティがあるというか
絵柄はまったり系でかつ可愛さを前面に押し出してるんですけど
そこまで漫画漫画してない印象を受けるんですね
それが何度も使っている「無添加」という事ではあるんですが
キャラの可愛さをアピールする時に使う表現技法がどれもありきたりな記号を用いたものではなく
個人的にナチュラルに感じられたり素朴な良さが中心にあると思ってるんです
そのわざとらしくない素直に可愛いと思えるセンス・・・が
やっぱり読んでて心地良かった2巻目でした
お花に心を奪われるシーンだとか日生ちゃんの勇者に対する純な態度の数々等
この漫画に出てくる女の子達はどの子も無垢でスレてなくて、それが癒しになっているのかなと
そういう様子を眺めるだけでも心地良かった、
だけでなくお話自体も良い具合にすれ違い勘違いを応用しててしっかりと楽しめた
私的には文句のないクオリティの新刊に仕上がってて大満足でした
やっぱり我孫子さんの作風が大好きみたいですね、私。

この2巻ではさり気に友情の進展に関して描かれている部分も大きいです
冒頭のラーメンの話では梅ちゃんが頑張ってたり仏子の人間性の良さが描かれたり
思春期ならではの可愛い悩みが表現されてたりそんな日生ちゃんもまた本当は素直な子だったり
そういう成長・・・を見守るのも実に楽しい漫画になって来ました
特に大好きなのは仏子がキモいと言われる話なんですが
かつて自分も同じような目にあったからこそ、今度は自分が励まし支えようと頑張る
そういう素直に「良いなあ。」と思える友情模様がしっかりと味わえて、
今巻でも屈指のお話に仕上がってたかなと

この漫画は小細工だったりひねた部分で勝負する漫画ではなく
そういう純な雰囲気やそのまんまの空気感が実に触れてて気持ちの良い漫画だと思ってるんです
普段はそこまで仲良しって感じじゃないけれど、時には互いを想って行動を重ねたり
その辺のベタベタしないけど根底では絆は深いんですという方向性は
他のガールズコメディにはない確かな個性かなと思います
どの描写もスッと受け入れられますし
見ていて気持ちが楽になる、
その他意を感じさせない無垢さの数々が最も印象に残る作品なのではないでしょうか
しかもそれを可愛い絵柄でやっているのだからもう私的には最高の作品の一つだと言えますね
よりナチュラルで純朴なセンスの日常ガールズコメディが読みたいならこれ!ですね
あとこの素朴さはアニメになったりすると出せない可能性が高いので
個人的にはそこまでメディア化を望んでる訳じゃなかったり
漫画ならではの良さ・・・がしっかりとある作品です
(まあ勿論人気になったらなったらでやっぱり嬉しいでしょうけどね 笑 ファンなので)。


それにしてもお話の方は非常に安定したクオリティを見せてくれて本当に何の不安もなく読めますね
栞ちゃん初登場の回はあまりのギャップに盛大に笑ってしまいましたし、
その前のラーメン回では仏子の無邪気な頑張りに癒されました
勇者との初対面シリーズも
上手く設定を活かして笑いに換えられていましたし
何より日生ちゃんの反応の数々と恋する乙女っぷりが最高でした
ここで彼女の取る行動が有り体なツンデレとかじゃなく
浮かれて気持ち悪い(笑)笑顔を浮かべたり仏子のカチューシャを付けてみたりと
その現実でもやりそうな女の子のいじらしい行動がやっぱ個人的にツボに入ったんですね
後の擬似痴話喧嘩も相応に面白かったですし、
海回は正に完璧な出来ですね
仏子の良い意味で田舎の子くさい垢抜けなさが可愛くて
梅ちゃんや日生ちゃんの良さも出ていて、オチまでの流れもしっかりしてて好感触でした
仏子のラーメン食った時の評論家気取りのギャグも実際にやりそうな事なのが個人的に好きなんです
安眠の話は素直に癒されましたし冒頭の日生ちゃんの寝姿がセクシーだったし(笑
賢者の末裔と会う話は花の美しさに心奪われる女の子~、という
シンプルな見せ場の演出が良かった
仏子の傷心話は日生ちゃんと梅ちゃんの気持ちが伝わって来る感情の拡げ方が素晴らしく感じたし
自分の個性を認めてもらったからこその確かな喜びも描かれてたのが良かった
最後の話はスケルトンさんの感度の良さが面白かったし(笑
仏子の他意のない明るさもよく出ていましたね

と、振り返れば好きなお話しか詰まってないのは私がファンだという事以上に
前述したこの漫画ならではの無添加な雰囲気とストーリー性を盛り込んだ事によって
連続して読める面白さが確かに宿っている・・・という
根本の時点でやっぱり優れている漫画なのだと思います
余計な色がないというのは派手さを求める読者的には通じなさそうではありますが
その分こういう素朴な方向性が好きならきっと長く読める作品だろう、とも思います
我孫子祐さんには是非今後もこの方向性で以ってファンを増やしていって欲しいですね
私も毎月の感想で援護射撃を続けていきます!
1巻で好きになったのならフルに安心して楽しみ切れるような鉄板の第2巻目でした。大好きです。












帯はなんと「みなみけ」の桜場コハルという実に私得な帯でした(しかもイラスト付き!)
おまけ漫画2Pはちょっとお色気路線で素敵でしたね(笑
個人的に仏子が一番好きなんですが
そんな彼女のお風呂シーン、水着シーン等サービス描写もちょこちょこあったのが嬉しかったですね
特に12ページに関しては一番お気に入りで桶の存在を心から憎むくらいに良かった(笑)。
彼女の天真爛漫な笑顔や表情に触れてるだけでも十分幸せなコミックス
可愛さ・ストーリー性・コメディ描写の楽しさ含めて
今巻もまた最大限に楽しませてもらいました。 とっても豊かな漫画です!