超進化アンチテーゼ

悲しい夜の向こう側へ

cinema staff「望郷」@恵比寿LIQUIDROOM 12.7.15

2012-07-21 23:39:57 | ライブレポ






先週の日曜日、cinema staffのワンマンを観に恵比寿まで行って来ました。






メジャーデビュー記念のワンマンでしたが、途中で機材トラブルが起こって結構に時間が押して
割と運が悪かったなあ・・・って印象もあるのですが本編最後の「into the green」の完成度には
流石に舌を巻かざるを得なかったです。
また一つ新しいステージに昇ったなという感触で
新曲の「奇跡」「warszawa」の出来も良かったと思うし
これからどんどん広範囲を巻き込めるロックバンドに成長していく予感たっぷりの
途中の機材トラブルを除けば全体を通して非常に良好と言ってもいいライブだったんじゃないかな、と。
まだまだ成長過程にあるバンドですけど、その危なっかしい感じもちゃんと魅力の一つに感じられるのが
個人的には良いんじゃないかなあ、と。いやあ、面白かったと思います。

序盤は静かな曲で割と実験的な印象があったんですけど
「部室にて」以降どんどん情感含んでヒートアップしていく様は非常に快感で
「優しくしないで」なんかはライブで聴く方がアンサンブルがダイナミックに聴こえて楽しい
個人的に好きな「シンメトリズム」が冷気を含んで鳴らされたのも快感だったし
前述の「奇跡」に関しては
「into the green」以上に新しい扉を開いた感触があって
まだ音源化されてないのに今でもすぐに口ずさめるくらいキャッチーで分かりやすい楽曲だったのが印象的
逆に「warszawa」は異様に暗く感じた楽曲でその二つが同じ新譜に入るってのも面白いような(笑)。


その曲以降に飯田くんのギタートラブルがあって
ドラムの久野くんが前に出てきてアートスクールの「スカーレット」をギターで弾いたり
三島くんが頑張って間を埋めたり、辻くんをいじろうとしたらすぐ直ったり(笑)。
折角メジャーデビュー記念のワンマンなのに運が悪いな、っていうか
若干雰囲気がグダグダになってるのが正直可哀想だった
でも、その後の「実験室」「skeleton」の流れは素晴らしかったと思うんですよね。
特に後者に関しては去年のレコ発ワンマンの時よりもずっと歌に感情を込める事に成功してたと思う。
そんなに盛り上がるタイプの曲ではないんだけど、自分の中では相当にグッと来てましたね。
続く「棺とカーテン」も飯田くんのきれいな声を活かした雰囲気のある曲
でも後半のパンクっぽいテンポは流石に盛り上がるよね(笑)。
何気にライブ向けの楽曲だと思います。

「白い砂漠のマーチ」。これも凄く良かった。音源でもそうなんだけど、情景が浮かぶ感覚?
もう幼い頃には決して戻れない悲しみと同時に、そこからの景色もちゃんと歌われていて
聴いてて思わず歌に感情移入しちゃったくらいの出来栄え
ここでまた一回ストップしたと思うんだけど
そこからは激しい楽曲連発の爆上げモードでセットリストに半分助けられたような感じでした。
だから、余計に前述の「実験室」の渾身のプレイが頭に残ってるというか
静かな曲でもちゃんと復活ムードを出せたのは凄いな、っていうかね。

「君になりたい」の熱演も流石だったと思うんですが
その後の「海北さんもこの時期でのメジャーデビューはベストタイミングだとおっしゃってくれて・・・」と
三島くんの発言から一気にアンセムモードにまで持って行かれた「into the green」、
所謂歌の力っていうか
声に込められたパワーがはっきりと伝わって来て
シネマスタッフは主にアンサンブルの巧みさが評価されてきたバンドだとは思うんですけど
これからは端正で芯の強いボーカルもまた褒められてくるんじゃないかなー、って素直に感じれて
全体的には機材トラブルが無かった分4月のクアトロのが満足度は高いんですけど
しかしこと「into the green」に関して言えばこのライブの圧勝!
・・・だと思います。
演奏自体もどんどんと滾っていくその様は正に覚悟と気合に満ちた一つの名演だったと思います。
決して安定しているバンドって感じではないと思うけど、この力強さがあれば正直大丈夫だと感じれる。
アンコールの9mmカバーの重さや「Poltergeist」の盛り上がりも良かったんですけど
個人的にはこの夜の最高沸点は間違いなくここだったと思います。
そんな彼らの深化と進化を見守っていくのも実に楽しみ。
自分も私生活頑張らなくちゃ、って思いますね。パワー貰えました。面白かった。







1. 水平線は夜動く
2. AIMAI VISION
3. daybreak syndrome
4. ニトロ
5. AMK HOLLIC
6. 部室にて
7. シンメトリズム
8. 第12感
9. 優しくしないで
10. KARAKURI in the skywalkers
11. 奇跡
12. warszawa
13. 実験室
14. skeleton
15. 棺とカーテン
16. 白い砂漠のマーチ
17. super throw
18. 想像力
19. 君になりたい
20. into the green
encore
21. Talking Machine
22. Poltergeist






今回はちょっと形式と文章の感じを変えてみました。
機材トラブルに関して言えば残念に感じた部分もありましたけど
そこからの「実験室」の美しさや「skeleton」の堂々とした佇まい等
逆に言えばそんなトラブルがあったからこその感慨もあった訳で
その辺は一概に残念だと片付けられない部分でもあって
でも、
何だかんだでシネマスタッフのライブって絶対に楽しんですよね。
変な格好付けがないというか、自分達のルーツに対して何一つのごまかしも言い訳も見当たらない
そんな潔さを好きだと思えるのと同時にある意味裸一貫でやってるバンドでもあるよな~、と
ますますこのバンドのポテンシャルを見直せた一夜でもありました。

普通、長丁場のトラブルがあると基本残念感でこういった感想は書けないのですけど
普通に絶賛できるポイントばかりが浮かぶのが不思議って言うか流石って言うか。
SEがLOSTAGEの「ECHOES」だったのも嬉しかったです!
気付けば笑顔になってた、そんなライブでした。
でも秋のレコ発ワンマンでは機材トラブルに対するリベンジも期待してますよ!その時もまた楽しみです。