超進化アンチテーゼ

悲しい夜の向こう側へ

鋼鉄の華っ柱 7巻/西森博之

2012-07-18 23:15:16 | 漫画(新作)






西森博之「鋼鉄の華っ柱」7巻読了。






今回も丸々子供編です。で、しっかりと面白いんですけど
この作者の漫画は相手が子供であろうが大人であろうが完璧に容赦しないな~、と改めて思いました(笑)。
画面や展開から伝わって来る威圧感が半端ないんですけど、加えて真道の無力感だったり
彼の根源的な我慢強い格好良さがきちんと描かれていて
一言で言うならば挫折に近い印象の内容になってますが、それは真道って男の事だから
多分次の巻で彼の「復讐」或いは「リベンジ」が描かれるとは思ってますけど
この巻だけ読んでみれば完全に真道の負け、ですよね。
今の彼だったら
もう少しスマートに避けそうな気もしますけど、その辺はある種の子供らしさだったりするんだろうか。
とはいえ、結果的に自分だけが割を食うように仕向けた考え方は随分大人びている・・・
っていうかこれは完全に慕われる人間の素質そのものだな~、と
読んでて感心したと同時に
この子供編の狙いって確実に真道って存在の掘り下げやバックボーンの強化だよな、って思えて
その意味でもこれが終わった後は更に真道って存在の偉大さが肌で感じられそうでそこも楽しみ
この漫画には珍しく「負け」描写の多い巻でしたけど
その辺の発散は次の8巻に期待しましょう、って事で。
やっぱり真道って男が格好良いって事実は決して変わらないですけどね。例え負けても。


個人的に誰かを蹴落として手に入れた幸せに価値があるとは思えない
本当に大事ならばそれこそルール破って一緒にいろよ、って思っちゃうんですが
まああの手の古い人間には何を言っても通じない
それよりも
まだ子供なのにあそこまで達観して自分を押さえ込んでるその姿勢がある意味泣けますね。
きっとあの境地に至るまで散々な目に合わされたんだろうなあ・・・って想像すると更に泣けますが
大事なのはその状況に慣れちゃいけない、鈍感になっちゃいけないということで。
本人は達観してるつもりでも
本当の本音は真道たちと遊んでた時の表情が物語ってますからね。
子供時代くらい子供っぽくしても罰は当たらないんですよね。
そんな風にどんどんと心を開いていく描写が魅力的だった7巻、怖さにも屈せず
迷いなく何度も彼女の救いを決断する真道は流石紳士を自称するだけの事はあるなあ、と
まだまだお子ちゃまな年代ではありますがある意味大人よりも頼もしい
要するに本当に出来る人間はもう子供の時から目線が高い
加えて努力家って事で
益々真道の根源的な男らしさが描かれてる、過程にしては見所の多かった巻にも思えましたね。
途中途中に今現在の面子が扉絵に描かれてるのも個人的には面白かったです(笑
こんだけ完璧に敗北を喫する事なんて滅多にないですからね。
さてさて、どんなリベンジの仕方になるのか・・・にも期待大です。スカッとする結末をお願いします、って事で。





それにしても「異常に攻撃的になる人間は実は怯えているんだよ。」ってのは正にその通りですね。
誰かにかみつくのも内心自分を守る為って理由が殆どの気もしますし
人間って言う生き物はつくづく難儀な生き物です。