超進化アンチテーゼ

悲しい夜の向こう側へ

ECHOES/LOSTAGE

2012-07-11 22:12:49 | 音楽





今日はLOSTAGEの2年ぶりのフルアルバム「ECHOES」の発売日でした。






で、早速購入して聴いた感想はですね、今回の作品は割と短編集的な作風だなー、と思いましたね。
今までの作品はどのアルバムもでっかいロックンロール、オルタナティブの塊的な作品で
その熱量にファンとして魅せられて来た訳ですけど
今回初めてジャンルが散らばったと言うか
一つの方向性で押し切る類のアルバムではなく、もっとじっくりゆっくり聴けるような奥深い作品に仕上がった
要するに渋さとか大人っぽさが際立ってるアルバムとも形容出来ると思うんですけど。
今までのような鋭さ、尖ってる感覚、無性にイライラしてる雰囲気を抑えて
今回は純粋に「いい曲」を追求して制作された感じ
最初聴いた時はその変化に驚きましたが、聴き込むとこれはこれでありだなと思えてくるような、そんなアルバム。

そして、今までの作品は過剰にネガティブっていうか
後ろ向きな感情が先立ってましたが
この作品から聴こえてくるイメージっていうのは陰と陽のその両方、
というかどちらかっていうと明るく未来や希望の方向に向かっていくイメージ
といっても勿論「分かりやすく」じゃなくて「何となく」なんですけど
そういう曖昧な感じが残ってるから
まだロストエイジらしいって思えるな、って節は確実にあって
その意味だとこれもまた今まで徐々に一部分として築き上げてきたロストエイジっぽい作品ではある
「PURE HONEY」とか「NEVERLAND」みたいなテイストをギリギリポップになり過ぎずに
オルタナのざらざら感を最低限残した上でやってる感覚があって
その一つの到達点、
ロストエイジのポップな部分がオルタナと溶け合った金字塔的アルバムに仕上がってるな、
というのが何度も聴いた上で私が出した結論のなんですけど。
勿論大人になった、渋くなった事で
かつての過剰なまでのエネルギッシュさは抑えられましたが
ただ、割と一本調子を極めてた節のあるロストエイジだからこそ、こういう作品を作れるようになった
そのバリエーションを調整出来る余裕が出来たって言うのは確かな進化ではあって
これもまた一つの到達点だと感じれるのは間違いないと思う。
何より方向性が若干変わってるとしても
仕上がってる曲のどれもが良い曲だっていうのは絶対的な事実としてあるから。
なので、これもまた一つのロストエイジの形として認めて欲しいな、と。
個人的にはそんな風に思えるニューアルバムでした。傑作。


個々の楽曲に付いて触れると、まず「こどもたち」を磨き上げた印象の「BLUE」は確実に名曲
今までに聴いた事のない叫び声を出してる「BROWN SUGAR」のキワキワ感、
「SF」をスタイリッシュに生まれ変わらせた印象の「DOWN」、
きれいなバラッド「NAGISA」から
新境地を切り拓いたオルタナポップ「僕の忘れた言葉達」も個人的にはグッと響いたし
さり気にラス前に配置されてる「ペラペラ」がオルタナとポップを最も良い具合で融合させてて
最後の「これから」はシンプルだけどとても沁みるバラッド、短編集的だが最後はきっちりまとまる
そんな曲順に関しても割と優れたアルバムだったりするんですけど

やっぱり思うのは、このアルバムはほぼノーコンセプトに近い感触があるっていうか
とにかく純粋に良い曲を集めましたってアルバムになってる気がして
それ即ち短編集的って表現を使うに相応しいと思えて
激しいサウンドを期待してた自分もいるけど
不思議と個々の楽曲の出来がいいからこれはこれで納得しちゃう、っていう
ある意味厄介な、納得せざるを得ないアルバムでもあり(笑)。ただ、自主レーベル一発目のフルアルバムが
こういう柔らかい希望を含んだ作品っていうのは正直それはそれで正しいと思えるし
ロストエイジの歴史的にも重要な作品になっていくんだろうな、とも思います。
恐らくは今すぐ高評価されるような先天性には欠けてるけど
でも多分何ヶ月も何年も掛けて
聴き手にじっくり染み込んでいくような作品だとは個人的に思ってるし
実際そうなっていって欲しいな、と。取り敢えず私的には非常に満足出来るスルメ的アルバムでした。
今も昔もロストエイジの音楽を聴く時のワクワク感は常にマックスなのが素晴らしいですね。





で、明後日から2年ぶりのアルバムツアーもスタート!
今回もちょこちょこ参加する予定です。
まだライブで聴いてない楽曲がどんな風に磨き上げられていくのかも本当に楽しみ!!
当ブログでも一生懸命プッシュしていきますので、興味があったら是非よろしくお願いします。