今日から7月ですね。中途半端な暑さですけど。で、新企画として「歌詞分析」シリーズを始めます。
普段良く聴いてる歌を自分なりに深く掘り下げて行こうという企画です。
性質上本気で大好きな曲しか取り上げないつもりなので
なんとなく私自身の好きな曲の傾向も割と分かるかな・・・?とか思います。それでは第1回目はつばきのこの曲!
ブラウンシュガーヘア/つばき アルバム「PORTRAIT+」収録
自分自身と深く対峙して、自問自答の末に一つ確かな答えを自分なりに見つけるという
大人になっても思春期が全然終わってない感じの私にはピッタリの一曲です。
と、同時にいつまでも燻って前に進めない人にも響く歌詞
中途半端な自分にイライラしている大人に向けた詞になってるので、現状に対しての不満だったり
自分のふがいなさを嘆く気持ちだったり、そういう感情を抱えて生きている方が聴けば
きっといくらかは救われる部分もあるんじゃないかと思う。
もう5年前の曲になっちゃいますけど
私自身「キツいな・・・」と感じた時にはしょっちゅうこの曲を聴いて自分を見つめ直したりしています。
【降り出した雨に打たれて 桜は散ってしまうんだ】
これは結構分かりやすいとは思いますけど、桜=自分だとすると雨って言うのはそのまんま困難
或いは悲しみの比喩になってる訳でこの詞で特に秀逸な部分は自身を元々は桜、
本当は誰かに好かれて愛される可能性のあったものとして、
んでそれがダメになってしまったって事実を描いてるという事は元々は愛される資格があったんだ、っていう
そんな主張もこのフレーズには含まれてる気がして。だからこそ、雨に降られて散ってしまった
本当の自分が見えなくなってしまったこの現状が口惜しくも感じる、という。
【オレは駄目な奴?と思う事が駄目な俺の法則】
これもまた痛い歌詞になってるとは思うんですけど、ある種の真理でもあって。
ダメ人間、ダメ人間って思ってる内は永遠にダメ人間から脱却出来ない気がするっていうか
言い訳や自身のレッテル張りに心酔して永遠に努力を怠ったまま、っていうのは
文字通り怠慢っていうか自分をダメにしていくだけの行動に思える
当たり前ですが
自分に何一つの誇りもない人間を他人が敬う訳がない。その辺は自分自身と向き合って
少しでも誇れる何かを掴み取っていかなければいけない、それが水面下だとしたら認識する努力も必要
少なくとも「俺はダメだ」って思ってる内は何一つも変わっていかないっていうのは
そこそこ長かった人生のうちで何度も痛感した事実の一つです。
そこを何とかしようと足掻いてるのが現状という訳で。
【幸せと言えば言えるような 実感のない日々が過ぎるから】
厄介なのはこれなんですよね・・・。
目の前の快楽だったり、そこそこなんとかなってしまう現状や日常のせいで
逆に足を引っ張られてる感覚というか、刹那的な幸福は一種の毒でもあるとは思うから
そういう現状の幻想を振り切ってシビアに今を見つめる努力が必要な訳ですが
努力なんてしなくてもある程度満たされてる現実があるから
中途半端に開き直って、悟った振りをして
自分をごまかしたまんま延々とループみたいな日常を過ごしてしまうと言う悪循環が生まれてしまう、っていう。
でも、そこに「俺の人生幸せだった!」と言えるような確かさや実感はほとんど残ってない
あるのは一時的な楽しさの反動だけ、残るのはごまかした無力感だけ、で。
【このままでいい?いいはずがない】
いいはずねえよなあ・・・(苦笑)。いいはずなんてないんですよ。
もっと自身の置かれてる、自分で置いてる状況に対して自覚的になっていかなきゃいけない。
この記事を書いてるのも今現在日常生活がさっぱり上手くいってなくて
いつまで経っても大人になれない感覚に苦しんでいるからなんですが
自分のダメさに溺れるよりも
自分の置かれた状況や立場の悲壮感に酔うよりも
「このままでいい」なんて甘えた考えを捨て去る事が重要な訳で
まあそうはいっても前述のようにそこそこ満たされちゃう幻想のような幸せがあるから難しくはあるんですけど
ただ全く何一つ考えてないのと、隅っこに少しでもそういう考えが残ってるのとでは全然違うから。
自分自身、今の自分の人生や生活に対して「このままでいい?」って問われたら
絶対に「いいはずがない!」って答えると思います。
そんな意味でも、こういう聴き手のケツを叩いてくれる曲って言うのは個人的に必要なんですよね。
【本当はただ 信じたくて】
で、最後に残るのって結局これなんですよね。
他の人はどうなのか分かりませんが、私は自分が間違ってないんだって信じたいし
自分の存在が誰かにとってのプラスになるって信じたい、必要な存在だって信じたい。
言ってしまえば、本当の自分の気持ちなんてただそれでしかないと思うから。
この世界が自分を受け入れてくれると信じたい
誰かが自分を受け入れてくれると信じたい
でもその為には自分自身にもっと向き合って変えていく必要が確かにある。けれど、
【俺が俺を失くさないように 君が君を失くさないように】
それは決して他人の型に合わせて自分の形を変えていくと言う話ではなく
捨て去れない自分自身って存在の為に少しずつ強くなる、今の形のまま磨き上げる努力をしようって話で
あくまで迎合だったり媚びる方向性には行かず、最低限の自分は保ったままで
自分自身のままで成長しようと決意する
そんな揺れつつも大事な芯の部分は決して捨て去らないそんな確かな気持ちも光る一曲
その上で「俺は俺」「君は君」とそれぞれの個も個として認めてるような、そういう感情も頼もしい一曲
それは馴れ合いでなく互いに違う場所で頑張ろうと語りかけてるようでその距離感もまた気持ち良い
何だかんだ弱音やふがいなさを嘆きつつ、最終的にはがむしゃらな方向性でまとまる
でも決して幸せになった訳ではないっていう
優しくもシビアな方向性が光る一曲、この曲の名曲っぷりは今後も伝えて行きたいところです。
「何度も何度も捨てそうになる」・・・自身のふがいなさに溺れて
世界との距離に怯えて、それでも今だったり希望だったりを捨てきれない人間の切実な自己啓発ソング
まるで自分の事を歌われてるような感覚に陥るだけにその意味でも他人事とは思えない一曲です。
【意味なんてない その言葉 一番意味がない】
俺もそう思う。