超進化アンチテーゼ

悲しい夜の向こう側へ

Sweet Robin Girl エレンシナリオ 感想

2011-05-03 21:44:22 | 雑記





「Sweet Robin Girl」、エレンシナリオ完了~。二人目です。ネタバレ込みですが感想を。




いや、なんというか・・・名作ですねこれは。
正直ここまでグッと来るとは予想外だったというか
ご多分に「関谷あさみ」っていうフィルターありきの作品になってしまうかもしれない
っていう心配もあったんですけど
こうして2シナリオ終えてみれば、泣いた回数が合計5回・・・。一つのゲームで5回も泣いたのは初めてかも。
具体的に言うと共通ルートのフィオナとシドが一緒に楽器を弾く所で一回
メグルートのファイナルで一回、もう一度やって二回(笑)、
んで今回のエレンのタバコの匂いを落とす所で一回、そしてプリスに暴言をはくシーンで二回・・・。
元々別に涙脆い方じゃないとは思ってるけど
流石にこの回数はヤバい。
自分の中で名作認定せざるを得ない。そしてやってみると分かると思うけど
「年の差」ゲームっていうコンセプトで見れば完璧とも言える出来。
いや、完璧は言いすぎかもな。
にしてもこれは本当に面白かったですよ。なんかもうどの子も好きすぎて、そこに差異がなくて。
それでいてシドの紳士っぷりもまたヤバい。頼れるお兄さんどころじゃなく
行動力が全体的にズバ抜けてる。それでいて思った以上に感動しちゃう。


エレンシナリオで良かったと思う所は、過去が無駄じゃなかったことですね。
あれで何一つ残らなかったら流石に可哀相だなあ、と思わざるを得ないんですが
彼女の夢に繋がるある一点が残ってまして
それが未来に繋がると。
恐らく他ルートでは記憶が戻らない、って結果だと思いますが、それはそれでまた幸せなんだと思います。
知らぬが仏。
そこがまた上手いなあ・・・というか。
今回も最終前に2通りのルートがある訳なんですが、そのどっちを選んでも素晴らしい結末なんですよね。
どっちもどっちでアリだなっていうかそのプレイヤーの性格次第な感じで。
まあCG的には「尊重する」ってのの方が良いんですけどね(笑)。

にしても、付き合い始めてからエレンの印象が変わる変わる。
その前はしっかりした小悪魔キャラ、って印象だったんですが
段々と甘え上手だな、って思えてきてその上寂しがりやさんでもあって。
その様子がねえ・・・
たまらん、っていうか、個人的に公園での告白のイベントは悶えてしまいました。破壊力抜群や。
だってあれシドとしては非常に恥ずかしいよね。幸せでもあるけど。

メグのラストが、めちゃめちゃドラマチックに燃えて、泣けるものだったので
エレンのラストは割と素朴な展開でやや肩透かしな部分はありましたが
よく考えて見るとエレンもシドと同じく過去を捨てずに、過去を率いて進むラストなんだなって思えて
そう考えると確かにこのオチが相応しいかな、と。
その場所があの場所、っていうのも感慨深い。
エレンルートは複線の使い方も上手く、大体の複線はきっちり回収できててそれもまた満足です。
メグはちょっと心配だけどね(笑)。
でも、やっぱり、今回もメグ同様「これで終わり?もっとやりたい!」って思ったのは間違いなく
それくらい面白いシナリオだったのは間違いない。
セリフの一つ一つもセンスがあって最高でした。・・・かぶりつく、とかね。そりゃあジューシーだろうけ(略)。




本当はもっと味わってプレイしようかと思ったんですが、マウスをクリックする手が止まらなかったですね。
なんかずっと心地良い感覚だった。
それと、やってる内に「YOUR DOG」との共通点もいっぱい見つけました。
また「YOUR DOG」についても書きたいですねー。取り合えず、今更だけど主人公の境遇ほぼ同じですね(笑)。



kimonos「kimonos」全曲レビュー

2011-05-03 15:38:58 | 音楽(全曲レビュー)






最近少なくなっている全曲レビュー・・・といっても一曲単位のもやってるから少なくなってはいないのか。
とはいえ一気にまとめてやるのも好きなので、ここいらでタイミングを読んで増やしていきます。


今日は昨年11月に出た「kimonos」を全曲レビューします。
全体のレビューはこっちhttp://blog.goo.ne.jp/nijigen-complex/e/5ab189bb950d616836ebdf160ad51074
これも去年の11月に書いたものです。
ほぼリアルタイム感想だったけど、印象はさして変わってない。つまりは半年経った今でも最先端だな、
って思うことに変わりはないって訳ですが、
今はDOPING PANDAの「YELLOW FUNK」があるので合わせて最先端っぷりを楽しんでます。
やはり先に先に進もうとしてる音楽はいい刺激になりますね。
過去に戻るのではなく、先へ進むという選択の素晴らしさ。
それでいて、温か味もあるのがまた聴いてて飽きないポイントで。






1.No Modern Animal

洗練されたトラックで、伸びやかなメロディがいつ聴いても心地良く刺激的。だが、
歌詞を読むと、和訳を読むと実に向井秀徳的なヘンテコな歌詞で
その点では見かけはLEO今井、中身は向井秀徳って感じの
そういうバランス感覚が面白い一曲。
だから楽曲自体も非常に新しい感覚で聴ける。ざん新な一曲です。



2.Haiya

楽曲自体はミニマムでポップな音になっているんですが
それでいて詞の世界観は実に寂しげ。
届かせようとしても
届かない想い。
その寂しさ、侘しさを本当にポツリ、と呟くように歌う曲。周りと比べて自分は一人
って事を否応が無く実感させられる曲でもあります。



3.Soundtrack To Murder

向井秀徳らしい「ぶった斬り」等のキーワードと
外国映画の主題歌にも似合いそうな張り詰めた空気感が見事に融合しています。
コンセプト的に和洋折衷ってのはあったと思うけど
それが特に成功している曲だと思う。
ストレートに格好良い。



4.Mogura

これぞkimonosならではの世界観!無機質でシンプルな、最低限の音数のトラックに
LEO今井のひきつったボーカル、不気味なボーカルに
サビで繰り出される「もぐら」のフレーズ。
LEOの良い意味で引っかかりのある部分と、向井秀徳の言葉選びのセンスの合致。が非常に面白く
そのクールさに何度もリピートしたくなる曲です。
「Like a もぐら」って語呂も良い。



5.Miss


「聖歌隊がうるさい」

メランコリックで沁みいるようなミドルバラッド、とはいいつつ音のノリは良いと思う。
言葉の使い方や語感のみずみずしさは流石といっていいレベルなのだが
上記の歌詞が中でも印象に残るというか
正論しか言わない人間に対してのアンチ精神そのもののようで聴いてて安心する。
だれが咎めようが、正論しか言わなかろうが
誰かを何かを好きになるのに理由も納得も入らず
そしてその切実さも同様に伝わってくる、これまた出来のいい楽曲だなと。誰が何を言おうと
君だけはそれを好きでいて。
その気持ちは大切にするべき。どうでもいい野次に負けるな、と。個人的な解釈ですが。



6.Sports Men

カバー曲。ですが、この曲で面白いのは向井秀徳がどうどうと英語で歌ってる事ですね。
10年以上の向井ファンとしては、日本語のジャリジャリとした響きでロック感を煽ってきた彼が
堂々と英詩を歌うって事が面白かったというか・・・。
でもナンバガ時代にもピクシーズのカバーやってるけどね(笑)。
にしても英語だと英語で妙なカタルシスがあるというか。LEOとの絡みも違和感なくてグッド。



7.Yureru

これぞ向井ならでは、という楽曲。それをkimonosらしいメランコリーに合わせて歌ってる。
ZAZENでいうと「asobi」「sabaku」に通じる楽曲ですが
それらよりも更に抽象的なので
余計にリアルというか、寂しさや不安定な気持ちが直に感じられて。それに触れるだけでも楽しい。
人間が変な行動や発言をするのも総ては人に構って欲しい、気づいて欲しいからかもしれない。
でも一方で誰にも理解されたくないって天邪鬼な部分も持ってるから人は難しいです。


「穴だらけのメモリー」

ってのは良く分かります。余談ですが。



8.Almost Human

PVも作られてますが、非常に上質の、映画のサントラにも使えそうなトラックに
メッセージ性の高い詞が乗って尋常じゃないクオリティを発揮しております。
この曲もまたサウンドやアレンジ面で和と洋の融合みたいな部分を感じさせてくれて
邦と洋の垣根を取っ払ってくれているようです。
それは次の曲でも如実に感じられますが。

自分の事を卑下するのはあまりにも容易い。その逆の方が難しい。ではどういう行動を取ります?っていう
一種の投げかけのような曲でもあります。
奥深いと思う。



9.A Girl In The Kimono Dress

実に日本的な、古風な歌詞とアレンジが光っている楽曲ですが
タイトルとサビが英語なのがミソで、これによってより日本っぽくなっているのが不思議と言うか面白い。
きちんとワビサビが効いた歌詞もまた素敵です。センチメンタリズムっていうのかな。
詞がよく読むと切ないのよ。
加えて音も物悲しい。



10.Tokyo Lights

元々はLEO今井の楽曲ですが、セルフカバー。の上にデュエット。そしてこれがまた素晴らしい。
都会に住む人間の孤独感が大いに表現されてるのと同時に
これは誰にでも通じるような感情でもあって。
群れから外れてしまう悲しみ。


「僕には関係ないんです」

観念的なようでいて、実は切ないフレーズ。こういうことを言いたくなる心境をよく考えれば更に。
ついでに向井秀徳が「僕」って一人称を使うのも随分レアですよね。
そこもまたお気に入りポイント。
生で聴いた時は涙が出そうなくらい感動した。





「最新の音楽~」って形容は多分文字通り最近出た音楽、って意味で
そこに進化感ってのは含まれてないんだろうけど
このkimonosの音楽はそうじゃなく、最新で洗練されていて、それでいて大胆で
文字通りの「最先端」を味わう事が出来る
最新のトラックを堪能出来る音楽になっていると思います。
何よりこのアルバム全体に流れているアンニュイなテイスト、物悲しさは中々にクセになると思う。
もちろんそうじゃなくてもバキバキのトラック聴いてるだけでも格好良くて。
アルバムとしては間違いなく傑作の部類に入ると思われる。傑作。