アナログフィッシュの新しいEP「失う用意はある?それともほうっておく勇気はあるのかい」を聴いた。
なんて長いタイトルなんだ・・・!
と思いつつ、タイトル曲は入っていない。
このタイトルは一曲目「PHASE」の歌詞をそのまま切り取ったものです。
これはライブで初めて聴いた時から印象に残ってた曲で、もう半年前になるのかな。
その頃から個人的には頭の中で鳴っていた曲でした。
ちなみに「チアノーゼ」って曲も脳内で絶賛再生中の曲だったりするので早めのリリースをお願いします。
段階、っていうテーマ性と共に
このミニアルバムでは、取り合えず何かが起きて、何かが動いて、平静を装う自分がいて。
というよりはなし崩し的に動けない自分が居て。
じゃあこれからどうする?って問いかけのような。作品自体も割と曖昧な曲が多く
その答えが次の作品で出るのかと思うとワクワクせざるを得ない。
何かが始まる前、
何かを始める前、その瞬間を切り取ったような曲が多いので
気分的には聴きやすいし、曲の中での居心地もいいですが、その分奮いを掛けられてる部分もあって。
動くにせよ、動かないにせよ色々と感じるものになってるのは間違いないですね。
何かを掴めば、何かを失う。
残るものなんてほんのわずか。そのわずかを頼って生きている。
そんなのは当たり前の不条理でやった分だけ返って来ることなんて有り得ない。
泥を被るのはいつも、いつの今日も目に見えていて
それは避けられない命運でもある。
でも、それでも、「失う用意はある?」と。
何かを失ってまで手に入れたいものはあるだろうか、賭ける対象はあるだろうか。
しかし、一方で今のままで、現時点の自分を選択して生きていくっていうのもありで
そのまま力尽きようがそれは自分次第で。
強迫観念でもなく、一方的な押し付けでもなく
素朴なメッセージというか、それでいて胸に来るものもあるし、っていう。
力強く自信満々の宣言を聞くよりも、むしろこのくらい中立的な視線の曲のがずっと聴いていたい、
なんてことを聴いていて思いますね。
特に「PHASE」は必殺曲、
と同時に日常のテーマソングにも出来るくらいのアンセムだと思いました。他にも一曲一曲の出来が良い。
なす術のない残酷な現実と、それを適当に聞くしかない自分との関係を描いた「戦争がおきた」も素晴らしい。
どの曲もいちいち新しくて新鮮な手触りです。
恐らく次の作品はまたも勝負作になりそうです。
個人的に「平行」って曲は、発売から1年経った今でも本当に素晴らしい曲だと思う。
何かのテーマソングにもちょいちょい使えるくらいの。
でも、「PHASE」もそれに負けないくらいタフできちんとしたテーマを持った一曲ですね。面白い。
以前にも増して面白いです、アナログフィッシュ。この先の公演も是非見たい。