アンティマキのいいかげん田舎暮らし

アンティマキは、愛知県北東部の山里にある、草木染めと焼き菓子の工房です。スローライフの忙しい日々を綴ります。

映画「楽園の瑕 終極版」

2018-02-01 21:24:50 | 映画とドラマと本と絵画
   「グランド・マスター」を見てから、ツタヤレンタルで、ウォン・カーウァイ監督のまだ見ていない映画を数本頼みました。最初に来たのがこちら。「楽園の瑕 終極版」です。

    舞台は南宋の時代の荒れ果てた土地。そこに一人住んでいる殺し屋が主人公。かれのもとに毎年やってくる友人、かれの殺し屋家業を手伝う男、弟の敵討ちを頼みに来る女などなど次々に登場。話の筋はあるのですが、夢のよう。主人公が昔であったある国の王子に、冗談で「君に妹がいたら娶りたい」といったその言葉で、主人公の人生も王子(実は男装した王女)の人生もかわってしまいます。

    またまた描き方がすごい。のちの作品に比べて、あまりお金はかかっていないと思うけれど、「グランド・マスター」に至るには、ちゃんと前身があったのだと、納得できる画面でした。

    この監督の作品で最初に見たのは「花様年華」。話の筋は忘れたのですが、香港の裏路地の狭い階段を上がるチャイナ服の女性の、ぞくっとするほどなまめかしい腰は、いまでもはっきり覚えています。この「楽園の瑕」に登場する、たぶん男が迎えに来るのを待ち続けているらしい女性が馬を洗うシーンは、あの腰つきを見た時の気分を思い出させました。

    原題は「東邪西毒」。最後に残る二人の男がそれぞれこう呼ばれた、というのですが、意味は不明。深いいわくがありそうななさそうな。筋など関係なく、ボーっと見入ってしまった映画でした。実際の興行成績は最悪で、観客が次々に席を立ってでいったそう。でも、評論家には絶賛されたということです。

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