アンティマキのいいかげん田舎暮らし

アンティマキは、愛知県北東部の山里にある、草木染めと焼き菓子の工房です。スローライフの忙しい日々を綴ります。

御内の森とゴンゾレトレイルを歩きました。

2022-11-16 15:09:13 | 小さな旅

  11月の初め、豊田市御内町の森歩きをしました。

  案内してくださったのは、御内町に住む藤澤あやさん。彼女は数年前、持ち山を整備して、ゴンゾレトレイルと名付けた気持ちのいいフィールドを作りました。GONZORE TRAILの森を訪れました。 - アンティマキのいいかげん田舎暮らし (goo.ne.jp)

  その彼女の厚意で、御内の私有林とトレイルを友人たちと歩くことができました。

  はじめは上りの山道。ほぼ人工林なのですが、足元がちょっと不安定なので、ついて行くのにやっとの私は写真を撮れず。写真は同行した友人が撮ったもの。

   この日、自分で初めて撮ったのがこのボケ写真。虫が食べている最中のどんぐりです。これは初めてみました。

   最初の休憩地でようやく撮ったのがこちらの苔です。ふわふわ。キツネのカミソリ(雷の褌とも)も青々としてきれいでした。

   緩やかな傾斜の山道が続きます。陽の差す林が美しい。

   苔はあちこちに。これは2種類の苔?

   数年前に間伐したそうなのですが、間伐の仕方がとても整っているように、素人目にも思えます。そして切った間伐材の置き方も丁寧。土砂崩れなど自然災害を防ぐよう、目的をもって置いているのがわかります。

    道の下には湿地帯が広がっています。間伐の折、極力注意を払って、苔にダメージをおわせないよう作業したそうです。

   道の左手、山側にも湿地帯が。

   こちらに移住してから私が知っている人工林は、うっそうとして暗く、湿っていて、光が差さないので下草が生えない、まるで死んだような森ばかり。こういう明るい人工林、というのにほとんどお目にかかったことがありません。

   ずっと間伐を続けてきた森ではなく、国産材の需要が減ってからは半ば放置されていたはずの森をここまで回復させるには、相当の手間と時間がかかったはず。広葉樹の原生林の森を歩く時とは違う種類の感動を覚えました。すがすがしい。人の手の入った森がこんなに気持ちいとはびっくり師でした。

   以前、豊田市主催の自然観察会に参加した折、植物に習熟した北岡明彦氏が、「人工林であても、手入れをきちんとすれば原生林に引けをとらない素晴らしい森になる」とおっしゃったのは、ほんとにこのことだなと実感しました。

   針葉樹が主体ですが、広葉樹もちらほら。美しく紅葉した木は、シラキだそうです。

   子供たちは元気に先を行きます。時々こんなことする子も。

   御内は林業が盛んな土地で、明治期から植林が行われていました。村の人たちは、山深い集落からどこへ行くにも山道を歩いて行き来しました。

   赤い目印は五差路の真ん中というしるし。「役場道」「学校道」そのほか、山の畑へ行く道などなど、人々が行きかった細い山道がいくつもこの山には残っているそうです。

    こちらは大木の山桜。花の咲くころ、見に行きたい。そういえば、3月の終わりから4月の初めころ、車で走っていると、山々に淡いピンクの花の塊をたくさん見かけます。あの山桜を間近で見たことはなかった。いつか木の下で見てみたい。

   山を下ると川が現れました。この川を越すとゴンゾレトレイルのフィールドです、。

   この日の行程のうち、私が最も自信がなくて、みんなについて行けるかどうか心配だったのがこの川渡り。長靴で行けばいいのですが、この場所のためだけに歩きにくい長靴をはきたくいし、リュックに長靴を入れてしょって歩くのもたいへん。

   それで、みんな同様、裸足になってわたりました。実は私、昔これよりもっと山深い場所の沢で濡れた石にすべって転んでメガネを割り、割れたメガネをかけたまま、車の運転をして帰宅したことがあるのです。だから、濡れた石の上を歩くのは、かなり怖かった。でも、若い友人たちが次々に手を引いたり手を差し伸べたりしてくれて、難なく通過できました。写真真ん中の赤い帽子をかぶっているのが私。

  それにしても、山の中の清流は澄んでいて、そして冷たい。後しばらくしたら足を入れるのもはばかられるほどの冷たさになりそうです。

   ゴンゾレトレイルの「ゴンゾレ」は「金蔵連」という地名からとったもの。武田信玄が金を採掘した跡地があるときいたので、この地名になったのかなと思いましたが、あやさんによれば、それが地名の由来になったかは不明だとか。あやさんたちはこの「金蔵連」に住んでいるのですが、いまや集落に残っているのはわずか5軒だけ。それも彼女の家以外はみな高齢者。

   豊田市に合併してからは「金蔵連」という小字名はなくなったので、せめてこの言葉を残そうと、名付けました。

   あやさんは、このトレイルの整備をはじめてから精油と芳香蒸留水のブランド「Sunlit Earth」を立ち上げました。スギ、ヒノキ、クロモジ、タムシバ。すべて、御内の森で採取した植物です。それぞれの植物から、その植物が持つ成分のもっともよく醸し出される時期を待って採取し、しかも、採取には、元の木の生長を阻害しないようおもんぱかりながら進めます。

   かぐわしい香りは、この森の中で嗅ぐと、いちだんと気持ちを落ち着かせるような気がします。私は、スギの精油を購入しました。ミョウバン水を作って自家製の芳香蒸留水で薄め、その中にこの精油を入れて、ルームコロンにしようと思います。

   この地は、整備するまでは、スズ竹があたり一面を覆っていたそう。刈るだけではすぐにまた生えてくるし、しかも根っこが危ないので、根こそぎ除去し、いまのこのやわらかな地面に戻しました。

   トレイルとしての使用のほか、自然観察会やライブそのほかさまざまの活動場所として企画実行したり提供したりしています。

   帰り道は、なだらかな地道をゆっくり歩きました。ところどころ沢が流れていて、岩川に合流します。

   山をあるくとなぜか必ず見かける朴の落ち葉。高木なので、その辺を見渡しても木のありかは見つからない。

  行きの人工林とは違って、多種の広葉樹がたくさん育っている岩川沿いの道。今はほとんどこんな道は見られなくなりました。この日初対面だった女の子たちは、手を取り合って仲良く歩いています。

  

  この日は、人の手を入れてバランスのいい森になりつつある人工林と、黄葉の美しい自然林の両方を堪能することができました。桜の時期や新緑の時期は、また違った趣があるのだろうな。ぜひまた、訪れる機会を持ちたいと思います。

 

 

 

  


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