岩井俊二監督の2018年公開の映画。中国が舞台で、役者もすべて中国人。https://www.bing.com/search?q=チイファの手紙
映画は葬式から始まります。喪主は中学生か高校生くらいの女の子と小学生くらいの男の子。死んだのは彼らの母親。その母親の妹・チイファがヒロインです。彼女は姉のところに届いた通知で中学の同級会が開かれるのを知り、会に出席します。そこで出会ったのは、姉を好いていた男子同級生。彼から声をかけられた彼女は逃げるようにしてその場を去ります。
ところが帰宅後、チイファは彼にもらった名刺の住所あてに、姉に偽装して手紙を書きます。それから始まる二人の文通。
実は、チイファは、中学校時代、彼のことが好きで告白するのですが、一途に姉を想う彼に一蹴されたことがあります。だから、姉に扮して彼に手紙を書くことは、彼女にとっては果たせなかった恋が実ったかのような錯覚を持たせてくれるひとときだったのです。夫と不仲というわけではなく、家庭はほぼ円満なのに、ひそかな楽しみにのめりこんでいきます。
纏綿とした情緒が漂ういい映画でした。岩井俊二の映画は「Love Letter」しか見ていませんが、あのせつない雰囲気によく似ていました。子供たちもかわいい。街の様子もいい。監督は、この映画を、日本、韓国、中国でそれぞれ撮りたい、といっているそうで、その第一弾がこちら。第二弾の「ラストレター」は、「チイファの手紙」公開の2年後の2020年にできています。検索したら、あらすじは同じ。三つの国でそれぞれ撮ることにどんな意味があるのか、ちょっと想像できません。でも、近々見ます。
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