アンティマキのいいかげん田舎暮らし

アンティマキは、愛知県北東部の山里にある、草木染めと焼き菓子の工房です。スローライフの忙しい日々を綴ります。

中洞牧場の牛乳

2014-10-13 15:28:02 | のみもの
    ずっと前、「美味しんぼ」で紹介されているのを見てから、いつか飲んでみたいものだ、とおもっていた、中洞牧場の牛乳をやっと手に入れることができました。 

    瓶に口をつけると、さわやかな香りに驚きます。バニラでも入っているのかな、と思うほど。たぶん草の香りなのでしょう。中洞牧場の牛は、トウモロコシなどの配合飼料は一切与えられておらず、草しか食べていません。もちろん、抗生物質などとは無縁な健康的な牛です。

    脂肪分は、市販のものより、0.3%ほど少ないみたい。今の牛乳の脂肪分が多すぎるとは前から思っていましたが、この牛乳は、さらっとしています。ふだん、牛乳をあまり飲まないので、たまに飲むともたれるのですが、そんなことはありませんでした。ただし、薄くはなくて、十分コクを感じました。

    中洞牧場が実践している酪農法は、山地酪農といいます。山地酪農では、山野に牛を放ち、季節も昼夜も問わず放牧を続けます。牛が自然に沿った生活をするそばで、人間は牛から乳をわけてもらう。そういう酪農法です。少し長いのですが、HP冒頭ページを引用します。

  「急な斜面でも生活の場とすることができる牛は、自然に自生する多様な草や国産の乾草を食 ( は ) み、日光の下で健康的な一日を過ごします。交配も分娩も牛まかせです。

狭い牛舎に閉じ込めて穀物を与え、人工授精を施して牛乳を搾る、という近代酪農のやり方とは大きく異なります。

   中洞牧場では山の中で父牛が群れの中で交配し、分娩・出産は母牛が自力で行います。生まれてきた仔牛へ母牛が哺乳し、育てます。仔牛は成長に必要な成分を豊富に含んだ初乳を飲み、母牛の愛情をたっぷりと注がれるのです。

   人間の子供と同様に、仔牛は集団のルールや生き方を学び、野山を走り回りながら丈夫に育ちます。その仔牛も、いずれ親になり、成牛後の十数年間という長い間、健康的でおいしい生乳をもたらしてくれるのです。

    草食の牛に野シバや牧草を与えて山に放ち、仔牛が飲み残した分だけ母牛にわけてもらう。すべてが自然の営みとして牛まかせ。そんな現代の酪農が失ってしまった自然の営みを活かす方法。

     近代酪農が抱える問題を解決する酪農が、中洞牧場にはあります。」


    「美味しんぼ」にはたしか、放置された山に牛を放牧し始めると、最初に牛は熊笹を食いつくし、人が入れる山にしてくれるということも書いてありました。安全でおいしい牛乳を生み出すだけではなく、荒廃した山の再生にも非常な効果があるといいます。まさに一石二鳥の方法です。

     円安の影響で輸入飼料がますます高騰し、その飼料の安全性も疑問視されています。戦後急速に増えた酪農家は、いまどんどん減りつつあるとも聞いています。山地酪農は、日本の酪農にも林野再生にも、大きな光を与えるものだと思えるのですが、転換は難しいのでしょうか。

     この中洞牧場のソフトクリームを、東海では、JR名古屋駅の高島屋地下二階のカフェ(中洞牧場直営のようです)で食べられるそうです。今度名古屋駅に行ったら、ぜひ寄りたい!

     ところで、写真の牛乳の隣にあるチョコレートケーキは、豊田市足助の旧市街にあるバンバン堂のTさん手製のスイーツ。久々に濃厚なケーキを味わいました。
 

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