アンティマキのいいかげん田舎暮らし

アンティマキは、愛知県北東部の山里にある、草木染めと焼き菓子の工房です。スローライフの忙しい日々を綴ります。

「スーパーサイズミー」のこと

2012-04-06 09:17:32 | 映画とドラマと本と絵画
  「スーパーサイズミー」とは、ほぼひとつき、某大手ハンバーガーメーカーのハンバーガー、それもスーパーサイズを毎食食べ続けたアメリカの青年のドキュメント映画です。だいぶ前に見たのですが、「フードインク」を紹介したついでに書きたくなりました。

   青年の職業は映画監督。ひと月食べ続けたらどうなるか、彼の日々の生活をカメラに収めた異色のドキュメントです。彼と同居している女性は自然食を続けている人で、彼も彼女の食事を好んで摂っていたようですが、彼女の反対を押し切って撮影に取り掛かりました。ハンバーガーを食べ続ける、という行為で、今のアメリカの姿が浮かび上がるのではないか、と考えたからなのでしょう。

    「スーパーサイズ」とは、そのハンバーガーショップで出しているもっとも大きなサイズのハンバーガーのこと。日本の店だとどれくらいの大きさが最大か知らないのですが、アメリカに滞在経験のある人たちは、異口同音に、「アメリカのハンバーガーはおおきすぎ!」と言うので、もしかしたら日本では売られていないサイズかもしれません。

    ともかく、青年は、そのスーパーサイズのハンバーガーを毎食食べます。それもポテト付きで。あの、名前を忘れたのですが、その店には必ずある大きなカップの飲み物かコーラも一緒だったかも。それも、サイズがおおきかった気がします。

    最初は快調でした。彼は、「おいしい」と感じていたようでした。でも、何日目からだったか、だんだん疲れを覚えるようになってきたようです。肥満も進みました。やせていたのが、10日か2週間でけっこうな太り方に。医者の診断も随時仰ぎながらの撮影だったのですが、3週間目だったかに、かなり内臓が悪くなってきて、ドクターストップがかかりました。

    そもそも彼がこの映画を撮るきっかけになったのは、このハンバーガーショップのバーガーを食べ続けて肥満になった高校生二人が、件のメーカーを相手に裁判を起こし、敗訴したというニュースを見たのがきっかけ。映画は、単に彼の体の変化を追うだけでなく、巨大ハンバーガーショップが、いかにたくみに宣伝をしていて、幼いときから食べたくなるようにマインドコントロールめいたことをしているか、また、ハンバーガーの中身にどんな肉を使っているから、あんなに安くできるのか、といった事柄にも取材をしています。

  彼が元の体に戻るには、同居している女性の作る自然食を数ヶ月続ける必要があったそうです。この映画の続編は、体が治っていく様子が描かれているらしいなので、いつか機会があったら、こちらもぜひ見たいと思っています。

    それにしても、アメリカの食べものの実態はひどい。でも、日本でも、ここまでひどくはないかもしれないけれど、問題は多々あるはず。本はいろいろ出ているのに、映像で見せるまでに至っていないようなのは、日本独自の事情が実はけっこうあるのかな、とかんぐってしまいます。その点では、アメリカは、阻む勢力も多いようですが、実態を暴こうという姿勢に協力的な人たちがけっこういるのだな、と感心します。食べ物のことではないけれど、マイケルムーアの作品のような映画が作られること自体、アメリカが自由な証拠なのかな、とおもいます。
コメント
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